初クエ&出会い
文字数は不定です。
長い時も短い時も短い時もあります。
俺はギルドライセンスをゲットしたので依頼を受ける事にした。
そこそこ強くて金もある。ニートしてもいいけど異世界を満喫する為に依頼を受けてみる事にした。
「何か俺に出来そうな依頼はありますか?」
「それでしたらこちらの…。孤高狼の撃退or討伐なんていかがでしょうか?」
受付嬢が依頼書を出してくる。
ここうおおかみ?何故に漢字?まぁ気にすると毛が抜けるので受付嬢に聞いてみる。
「ここうおおかみ…ですか?どんな依頼ですか?」
「いいえ。ここうおおかみではありません。これでロンリーウルフと読みます。こちら街の外にあるノースマウンテンの森で最近目撃が多発している大型の狼になります。群からはぐれて大型化した非常に獰猛な狼です。今回は森から撃退…追い払って頂くか、討伐して頂くかどちらでも結構です。成功報酬は一律500G、達成期間は受注から7日間、Bランク以上推奨依頼になります。受注されますか?」
「撃退した場合の証明方法はなんですか?」
内容は悪くない…撃退or討伐の意味がいまいち理解出来ない俺は達成条件を質問した。
「撃退or討伐依頼には組合から依頼を監視する監視員が同行します。監視員は安全な距離から冒険者を監視して撃退の可非を判定します。討伐はそのままの意味で倒して頂く事になります。その場合は討伐証明部位を提出して頂く事になります。」
「わかりました。この依頼、受注させて頂きます。」
「わかりました。受注手続きをさせて頂きます。出発はいつですか?」
「今から行ってきます。」
俺は依頼を受注して受付カウンターを後にする。
「うぉい!俺とパーティー組まないか?」
「こいつは俺達のパーティーに入るって決まってんだ!!」
「塩胡椒も嫌いじゃありません。」
「ブブブブブブ!」
いかん!秒で囲まれた。しかもなんか関係無い事も聞こえる。
俺はガヤ達を無視してウメを回収し、組合の建物から出た。
「ちっ!あいつ無視はねーよな。」
「まだソロがいいって事か…。」
「醤油も捨てがたいです。」
俺が立ち去った組合の中にガヤ達の声が響いていた。
依頼の指定場所、ノースマウンテンに向かう為に俺は街の入口へと向かう。監視員とは街の入口で合流する事になっている。
ストレージにアイテムや食料はあるので、特に買い物をする事なく入口まで歩いた。
入口の近くに『今から探検行きます』って感じの女性が立っていた。もしかしてこの人が監視員?とかなんとか思いながらも入口に到達。すると...
「Aランク冒険者のマツダ様ですか?私、組合から同行させて頂きます監視員のバヴィアジエフと申します。」
ロシア風の名前の女性に話しかけられた。
これが監視員バヴィアジエフとの出会いであり腐れ縁が始まった瞬間である。
「冒険者のマツダです。ロンリーウルフ撃退or討伐の依頼を受けました。お忙しい中、ご足労頂きまして誠にありがとうございます。」
「とんでもございません。それでは出発しましょう。」
行く気まんまんのバヴィアさん。
行くに行けない俺氏。何故かって???ノースマウンテンの場所を知らないからだよ!!
「すいません。俺...ノースマウンテンの場所を知らないのですが...バヴィアさん分かりますか?」
「ノースマウンテンならここから北へ向かえばありますよ。はい!行きましょう!」
読んで字の如く、まんま北へ向かえばよかった様です。
......そして俺達はノースマウンテンへ向かったのであった...。
ノースマウンテンはクラウドリーブの北に位置するそれ程高くない山で、部分的に切り立った山らしい。
古くから神の住まう山といわれ神聖な雰囲気が漂っているらしい。
クラウドリーブから徒歩で2時間くらいで麓に着くもいう事だ。
そんな所に住む狼...もはや神獣ではなかろうか。少なくとも我が家のウメさんよりも神獣に近いと思われる。
出発して1時間くらい経ったであろうか、俺達は休憩をとる事にした。そして出発して5分位経った頃、ウメさんは足回りに疲労が蓄積し抱っこをねだってきた。そして俺は渋々抱き上げた。
そして今に至る。ちなみに爆睡されている。
「麓の森に入る前に軽く食事をしてしまいましょう。木々に囲まれた中では死角も多く安心して食事がとれませんから。」
流石組合から派遣同行された監視員の方、安全に配慮したアドバイスをして下さる。
「わかりました。体力を回復させる為にもここで食事もしてしまいましょう。」
俺はストレージから角ウサギの肉とパンと調理器具を取り出して食事の準備を始める。
ストレージの何が便利かって、欲しい調味料がだいたい揃っているから現地の食材を食べ慣れた地球飯に出来る事である。
そんな俺は角ウサギの照り焼きを作る事にした。
角ウサギの肉を10センチ角になる様に2枚切る。俺もウメも一つずつでいいだろう。何故か視線を感じる...。
そして肉の臭いを包む為、胡椒をふる。この世界でも高級品なのかな?そして視線を感じる...。
胡椒が馴染むまでに照り焼きソースを用意する。醤油、味醂、砂糖が1対1対1の分量で簡単に照り焼きソースが出来る。やはり視線を感じる。
って集中出来ない!
「バヴィアさんは食事の用意をされないんですか?」
視線に耐えきれず俺はバヴィアさんに質問をした。
「普通冒険者は外での依頼中は干し肉や携帯食を食べるのです。だから私も干し肉や携帯食を食べます。ジュル...普通はこんなしっかり料理しないですよ。」
「そうなんですね。材料ありますのでバヴィアさんのも作りましょうか?」
「そんな悪いですよ!気を使わないで下さい!私は監視員なので見てるだけで結構です。」
「いやいや折角一緒に依頼に向かうので一緒に食べましょうよ!バヴィアさんのも作りますね!」
「そこまで言われるならご馳走になります☆」
あれだ...多分だけど、この人...残念な人だ!
俺は一人分の材料を追加して調理を続ける。
胡椒は臭いのマスキング、だから早めにふる。
フライパンを温めながらウサギ肉に塩をふる。
塩をすると水分が出てくるから焼く直前にする。
温まったフライパンに油の代わりにウサギの皮下脂肪を敷いて肉を焼く。強火で両面しっかり焼き目を付けてから弱火にして中までじっくり火を入れる。食中毒怖いからね!
中までしっかり火が通った頃を見計らって照り焼きソースをフライパンにin!あとは絡めつつ、煮詰めつつ、完成を待つだけだ。
この時、背後に獣の息吹きを感じた...。
強く、激しい呼吸音。フライパンの中身なのか俺なのかわからないがエサとして認識されている様で涎の滴る音も聞こえる。
まさかこんな所で獣に遭遇するとは...。
意を決し、俺はゆっくり振り返った......。
ありがとうございます。