逝ったった
頑張ります。
はてさてアイランドルートの地に立った訳ですが、これからどうしたらいいのか一切わかりません。
本来であれば頼れる相棒だと思われる神獣様も横で「ブ~ブ~」言っているだけで役にたっておりません。
俺は死神に教えられたウィンドウの能力を使ってみる事にした。......が使い方が分からない...。
「ウィンドウ!...ウィンドウ!!...ウ ィンドウ!...ウィンドゥ!」
数パターン呟いたり叫んだりラヂバ○ダリしてみたが何も起こらない。
ため息を吐きつつウメを撫でながら『ウィンドウってなんだよ...』と頭の中に思い浮かべた瞬間......出ました!目の前に!
ホログラムの様に目の前に色々な情報が浮いていた。
そうか思い浮かべればなんとかなるのか...
情報の項目は、
ステータス、ストレージ、※※※※、※※※※、の4項目。現在有効なのはステータスとストレージの様だ。
宙に浮いたステータスの文字に触れてみる。
すると...
名前=松田進士
年齢=18歳
種族=人間
職業=厨ニ調理師
身体能力=A
魔力=A
能力=ウィンドウ、ストレージ+α
スキル=調理
従魔=ウメ(神獣パグ)
と、個人情報が出てきた。色々突っ込む所があるけど一番は、俺若返ってる!38歳だったから20歳も若くなってる!何故だ?
そして次にパグって従魔だったんだって事。後は身体能力や魔力が高い事、死神が言ってた事はこれかって思った。
そして職業『調理師』とスキル『調理』、調理って何だろう?地球に居た頃は料理が好きでしていたけど仕事にはしてなかった。謎だ...。
まぁ追々分かるでしょう、と前向きに考えてストレージの確認をしてみよう。
ウィンドウとストレージに触れてストレージを開いてみる。
ステータス同様、中身の一覧が出てきた。
ストレージ内部
万能調理器具box=包丁のセット、鍋のセット、フライパンのセット、その他調理器具がまとめられた物。
食材調味料box=謎の箱、中身は闇。後で調べるとしよう。
装備品box=中世の西洋風の武器防具、中世同等の時代の日本刀数振と日本甲冑、現代軍隊の装備品一式がまとめられた物。これで身を守れって事ね。
衣類box=説明割愛。
アイランドルート通貨=5000万G、単位はなんと読むのだろう?そして貨幣価値が分からないので街を見つけたら聞いてみよう。
中身は、白金貨、金貨、銀貨、銅貨が入った袋だった。
アイランドルート魔ップ=パッと見は地図。しかしマップではなく魔ップ表記。移動する時に使ってみよう。
取り敢えず、ウィンドウ関係のチェックを終えた俺は、地球から着て来たスーツから現地の服に着替える為にストレージ項目から衣類boxに触れて衣類を出す事にした。西洋風の服だ。
科学繊維に慣れていた俺は少しゴワゴワする現地風の服に着替え、boxに入っていたブーツを履く。そしてスーツをboxに収納した。
次は装備を整える。装備品boxを出して中身を漁ってみた。
本来であれば服装に合わせた西洋剣をチョイスするべきだが、厨ニ病の俺は日本刀を選んだ。見た目は普通の拵えの刀。銘は『魔刀、仏恥斬離』。
なんとも香ばしい銘だ。魔刀と表記されているが厨ニの俺には格好良ければそれだけでいい。
日本刀を腰に差し、装備を終えた俺は移動を開始する事にした。
......が、隣から『グゥ~~』っと地鳴りの様な音がする。ウメから聞こえる。俺はウメに話しかけた。
「ウメちゃんお腹空いたの?」
「ブブブブブッブブゥ~!」
どうも正解の様だ。俺は食事にする為、食材調味料boxを開く事にした。
食材調味料boxを出して開けてみる。先程調べた通り中身は闇だ。手を入れても何も触れない。もしかしてこれも欲しい物を思い浮かべれば出るのか?俺はそう思いドッグフードを思い浮かべた。
思い浮かべた瞬間、boxの中からドッグフードが飛び出してきた。
なんて便利な箱!まるで四次...いかんいかん!とにかくウメのご飯をゲットしたので食べさせる事にした。
いやまぁなんとも...神獣の筈なのに地球のパグと同じで口の両わきからエサをこぼしながら食べている。神獣で従魔だから、地球にある米国の宇宙人を管理する組織のエージェントパグと同じくらいスペックが高いと思っていたけど、なんとまぁ...まんま地球のパグだな。
ウメの食事が終わったので俺も何か食べる事にした。
思い浮かべたのは...あんパン&コーヒー牛乳☆
歩きながらでも食べられるしって事で食材調味料boxから取り出してウメの隣に座った。
「ブ~ブブブブブッブッブゥ~!」
ウメが横で騒いでいる。欲しいのか?なんて思いながらあんパンとコーヒー牛乳を膝の上に置き、現在地と最寄りの街を検索する為、魔ップをストレージから取り出した。
魔ップを開いてみた。日本みたいな形の国だ。しかし現在地が分からない...。これも思い浮かべたらいいのか?と、現在地と最寄りの街はどこだ?と思い浮かべると、三角形の光点と旗のマークが魔ップに浮かび上がってきた。恐らく光点が現在地、旗のマークが目的地だろう。逆かもしれないが歩けば分かる事だ。
そして俺は、なんて便利な機能なんざましょ☆なんて思いながら目的地に向かうべく食事を取ろうとした。
俺は食事を取ろうとした......しかし食料が見当たらない!
隣のウメを見ると、とても美味しそうに召し上がられているではないか。
俺は死神に従魔の変更を願う事にしたのであった...。
パグを飼われた事がある方はブーブーシリーズを理解して頂けるはず!