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第4話 係長との上手なコミュニケーション方法、本気で募集中!(1)

 うー、気まずい。

 係の電話が鳴るたびに、近くの刑事が二人ずつペアになって出て行く。

 残ったのは係長と僕、二人きり。


 人生最大のピンチ!

 神様、どうかこれ以上電話が鳴りませんように!

 僕は人生で初めて本気で神様へのお願いをしていた。


 なぜって?当たり前だろ!

 次に事件発生の電話が鳴ったら、現場に行くのは強制的に係長と僕。

 二人きりの気まずい捜査。

 こんな悲惨なイベントを避けるためだったら、僕は神様のみならず、悪魔とだって契約するぞ。


 神様、仏様、悪魔様。

 フリじゃないからね。

 ホントのホントに係長と二人きりの事件現場めぐり、強制暴力ツアーは勘弁してよね!


 これだけ祈ったのに、やっぱり神様はフリだと間違えたらしい。

 それとも神様と仏様と悪魔様に一緒に祈ったのがまずかったのか?

 電話が鳴るのにものの三分もかからなかった。

 神様の分からず屋。


 係長は渋い顔で電話を聞きながら、僕の方をにらんでいる。


 大丈夫!きっと間違い電話だ。

 どこかのドジでお茶目な女の子がピザの注文でもしているに違いない(←現実逃避中)。


 電話が終わると、係長は小さく一言「行くぞ」とつぶやいて立ち上がった。


 ん?トイレかな。

 それとも食パンくわえて交差点で運命の人と衝突した女子高生でも迎えに行くのかな(←まだまだ現実逃避中)?


「現実が見えないのなら、無理やりにでも夢の世界から引きずり出してやるぞ」


 ドスのきいた係長の声。

 とうとう僕の考えまで読めるようになってしまったらしい。

 そうか、係長は悪魔様の生まれ変わり…いや、悪魔様そのものだったのだ。

 僕はなんで悪魔様にお祈りなどささげてしまったんだろう?


 係長に首根っこつかまれて引きずられていく僕。

 恥ずかしながら、この年になって、売られていく子牛の気持ちがようやく分かったよ。


読んでいただいてありがとうございます。




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