剣術と錬金術
処女作です。
お見苦しい点もあるかと思いますがお手柔らかにお願いします。
「ライオ様。魔法に必要なのはマナポイント(MP)では剣術に必要なのはなんでしょう?」
「剣術に必要なポイント・・・??うぅーん。攻撃力?」
「はい。攻撃力確かにそうですね。でもまだ正解はあげられません」
「どう言うとこ?」
「そうですね。剣を振って相手に当たれば攻撃力が物をいいます。ですが相手も訓練を積んだ者ならば話は変わります」
「そうか。ヘルスポイント(HP)や防御力もだね?」
「はい。これでいよいよ正解にあと一歩となりました。ウフフ」
「先生。それってマナポイントも必要と言うことですか?」
「はい正解です」
そう言うとカールは抜刀して構えた。
すると剣から火が噴き出した。
「そ、それは魔法ですか?」
「そうですが一応これも剣術となります。要領は手から出る魔法を剣の刃の部分から出すだけです」
「感覚さえ掴めば簡単ですよ。ウフフ」
「と言うことはマナポイントも必要と言うことですね」
言い終わると数度頷くカール。
「例えば足から風魔法を出すと間合いを詰めたり離したり出来そうですね」
「流石ライオ様。剣術と魔法は切っても切れない関係と言えるでしょう」
一通り説明を受けて訓練が始まる。
「まずは剣に慣れましょう。握りや鞘からの出し入れは基本です。素振りは早く鋭く強くこれを繰り返すしかありませんよ。ライオ様にはどんな剣が合うかも相談しながら決めていきましょう」
しばらく素振りをいているとカールは目を白黒させている。
「ライオ様、本当に剣術は初めてですか?防御するので私に打ち込んでみて下さい。」
「分かりました。では行きます」
何度か剣を打ち込む。
ライオ様の剣は一打一打早く鋭く強くなる。
打ち込めば打ち込むほど早く鋭く強く・・・、そろそろ抑えるのも厳しい・・・
もしかしたらライオ様のスキルは剣術関連かもしれない。
カールがそんな事を考えている間、ライオネルはと言うと。
素振りの時からずっと早く鋭く強くを願い欲していた。
ライオネルは願い欲する事で身についたり行使出来たりする事に気がつき素振り中ずっと願っている。
剣を握ることが初めてでも欲していれば強くなれる。
カールはそろそろ限界、そんな時に兵士が施設へ入ってきた。
その兵士はネイラ、カールの前に膝をついた。
「殿下、訓練中申し訳ございません。ネイラ様、カール様に申し上げます」
「構わぬ申せ」
「はい。元帥閣下並びに宰相様がお呼びです。至急城内司令室へお越し下さい」
「ですが今は陛下より賜ったライオネル殿下の訓練の真っ最中です。いくら閣下、宰相様の頼みだとしてもお断り致します」
「国王陛下も了承されております」
父が出てくると断れる訳はなく。
2人は渋々だが向かうことを伝えた。
「ライオ様、話しがいつまで掛かるか分かりません。今日はお部屋に戻って下さい。また次回仕切り直し致しましょう」
「わかった。僕は少し復習をして戻ります。お二人は早く向かわれて下さい」
「分かりました。執事に伝えておきます。マナポイント切れだけには十分気をつけて下さいね」
そう言うと2人は訓練施設から出て行った。
やっと1人になれた。
さて中庭に出て錬金術を試してみよう。
訓練施設の隣は中庭になっている。
中庭の地面からなにを錬金しよう。
まずは鉄、頭に刻み込まれている通りに行なっていく。
地面にに両手をついて鉄をイメージする。
イメージが固まったらマナを流し込む。
すると・・・粘土のある液体が滲み出てイメージと同じ形を形成したと思ったら鉄になった。
しっかりとイメージする事で形も作れるようだ。
次は小さな鉄球をイメージして錬金するとやはりイメージ通りの鉄球ができた。
金のインゴットをイメージしようとしたが隠す場所がないので断念。
純金のペンダントを錬金した。
すると物陰から誰かが出てきた。
「ねぇ君凄いね。お母様がしてる指輪と同じ鉱石かしら?それはスキルなの?」
「本当ね、とても綺麗なペンダント。私欲しい」
ライオネルと同じ年頃の可愛い2人の女の子だった。
腰まで伸ばした金色の髪少し大人びた感じの子と長い赤毛をツインテールにした活発そうな子だった。
「え、え?それはそうとここで何をしているのですか?」
「お父様達に連れてきて頂いたの」
「そうですか。それは失礼しました。お父様達は近くに居るのですか?」
「・・・それが中庭を散策中とても美しい花に見惚れていたら見失ってしまい探しているところでした」
迷子だな。
多分親御さんも探しているだろう。
ここから動かない方がいいかも
「そうだったんですね。中庭で見失ったのなら探しにくると思いますよ。それまで一緒に待ちましょうか?」
「はい」
「それで、そのペンダントですが。どうやって作ったのですか?土から出てきたように見えましたよ」
「これ金だよね?金を土から作れるなんて素敵ですね」
あちゃー完全に見られてたか・・・。
「では、誰にも話さないと誓うなら、お二人にペンダントを作って差し上げましょう」
「嬉しいわ。約束致しましょう」
「本当に?誰にも話さないわ。約束よ」
「約束ですよ。それでは作りますので少し離れて下さいね」
先程と同じように大地に手を合わせイメージする。
2人とも仲がいいみたいだから、可愛いペンダントをお揃いで作ろう。
形は六芒星にしよう。
この世界で六芒星は魔法の象徴である。
大昔、この大陸にはまだ国もない頃の魔法は六芒星をベースにした魔法陣で発動していたそうだ。
六芒星にはマナを吸収して留める力があるので、もしかしたらこのペンダントで魔法強化出来たり・・・するかも。
形のイメージは固まった。
次にマナを大地へ流し込んで錬金する。
あっという間に2つのお揃い純金ペンダントが出来上がった。
ちゃんと六芒星の陣も彫って陣にはマナをよく流すミスリルを流し込んでおいた。
ひょっとするとひょっとするかもと願いを込めて。
「はい出来上がり」
2人に渡すとじっくりと眺めて見つめ合ってニコニコしてる。
口止めとはいえいい物を作ったな。
「小さな騎士様ありがとうございました。とても気に入りました」
「私も気に入りました。ありがとう。小さな魔法使いさん」
2人は顔を赤らめてライオネルにお礼を伝える。
「さて、お嬢様方。よろしければ僕がペンダントを首にお掛け致しましょう」
そう言うと2人は黙って俯く。
僕は後ろからペンダントを掛けた。
「とてもお似合いですね。作った甲斐がありました」
「お、お嬢様。ここにいたのですね。お父様達が心配しております。さぁ参りましょう」
私兵だろうか?
見たことない兵士が2人を迎えに来た。
私兵を持つこの子達の親は城で働く貴族のお嬢様なんだろう。
貴族の娘ならまた会えるだろう。
「迎えが来ましたね。では、またお会いしましょう」
「では失礼致します。本当にありがとうございました」
「ま、またね。ありがとう」
可愛い子達だったな。
前世では同年代と特に女の子とは話した事無かったな。
本当に楽しいひと時だった。
また会えるといいな。
さて部屋に戻ろう。
そして願ったり欲すれば現実になる現状色々確認したいな。
読んで頂きありがとうございます。
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