地球 死と生
処女作です。
至らない点誤字脱字多々あると思いますがお手柔らかにお願い致します。
僕の母は小さな頃に亡くなった。
父は僕を育てる事を放棄した。
親戚と呼べる人もいない。
天涯孤独というやつだ。
そんな僕は人生の半分以上を病院で過ごしている。
もう治る見込みのない病気だ。
病魔に蝕まれ続ける日々。
そんな僕を勇気づけるものは数冊のラノベだったりする。
「僕も死んだら異世界に生まれ変わりたい」
それだけが心の支えであった。
数年ぶりの穏やかな目覚め。
調子良すぎ!今日死んじゃったりして・・・。
そんな事を思っていたら。
「正解じゃよ」
「えっ?」
老人が僕のベットの横にいた。
いつの間に・・・。
「桐生雷太16年間の短い命じゃが。残念ながらここで終いじゃよ」
「そうですか?って?え!?」
理解に苦しむ僕を見て笑う老人。
僕が死ぬ?まぁ思い残す事はない・・・はず。
「あの?それで貴方は?」
「私はデミウルゴス、創造神である。君を異世界に転生させるためにきたのだ」
異世界転生・・・。やったー!!
「君は頑張った。それはもうこの星の誰よりも孤独だっただろう。それに苦しみも味わった。そんな君に私からプレゼントじゃよ」
「ありがとうございます。ですが僕は孤独ではありませんでしたよ。こんな僕を支援してくれた方々、病院のスタッフに患者さん。僕は孤独ではありません。もっと孤独な方は沢山います。それにもっと苦しい思いをしている方がいると思いますそんな方を選んであげて下さい」
残念だけど仕方ない、
「そんな事を言える、自分より他の人を思いやれる君だから選んだのだよ」
本当にいいのだろうか?
「君でいいのだ」
「わかりました。何かに選ばれた経験がないもので緊張しますが頑張ります!!それで僕の行く世界は剣と魔法の世界だったりするんでしょうか?」
一番気になる事を聞いてしまった・・・どんな世界?まさか大好きなラノベの世界?剣と魔法の世界でチート全開なんて・・・まぁ現実的に有り得ないよね?
そんな事を考えているとウラウスは頷きながら・・・
「君の行きたい世界、剣と魔法の世界じゃよ」
ウラウスは頷き終わると真剣な顔になり
「君はなにを欲するか?」
「どんな魔法どんな能力どんな家族どんな地位・・・。何を欲するか?全て叶えよう君の思うままに」
何を欲するか?か・・・?
僕の欲しいもの・・・?
欲しいのは・・・
雷太は決まったようでウラウスを見つめた。
「僕が欲しいのは・・・」
「僕が欲しいのは全てです。全てが欲しい。今まで全て捨てて生きてきました。捨てないと生きていけませんでした。だからこそ全て欲しい。全て。全て、余す事なく全て欲しいです」
ウラウスは顔を痙攣らせながら考えていた。
そこまでして今まで生きてきたのだな。
そこまでしないと生きていけなかったのだな。
全て・・・。とんでもない事を答えてきたわ。もっとこうチートとかハーレムとか年齢的にあるじゃろ・・・
「やっぱりダメですよね?我儘すぎますよね?ごめんなさい。普通でいいです」
あーそんな切ない顔して見つめられたら困るのじゃー!?
「よしわかった。全て余す事なく君に授ける。その代わり約束してくれ。その力を闇に落とさないと、正義の為に行使するのじゃ。誓ってくれ」
「わかりました」
そう言うとウラウスは消えていた。そして眠気を我慢出来ずに僕は眠りについた。
何時間寝ただろう何年ぶりかの快眠だ。
しかし寝過ぎて目覚めが悪い。
あれは夢だったのだろうか?
そんな事を考えながらゆっくりと目を開けるとそこは異世界だった。
読んで頂きありがとうございました。
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