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いつか一緒に朝食を  作者: ちくわ
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 あぁ、またこれだ…

起きて見上げた天井を見て寝過ぎたと感じる。学校の登校時間はとうに間に合っていない。

朝は起きれないわけではない。ただゆっくりしていたいという気持ちが先に行くだけだった。そうなると、学校に行く。という気持ちは必然的に優先順位から落ちていく。

朝の喧騒が過ぎ去った我が家のリビングで一人テレビをつける。テーブルには昨日の晩ご飯の残りと朝ご飯の残りが詰められた弁当箱が誰かの忘れ物のように置かれていた。

テレビからは通勤通学を終えた時間でか見れない朝の情報番組が流れてくる。昨日の事・これからの天気・料理コーナー…

誰が見るのだろう?見る人がいるからやってるんだよな。と自己完結し弁当へ手を伸ばし、昼食としてあったものを食べ始める。

まだ温かさを残した弁当はいわゆる今が食べ頃なんだろう。


 これは父の教えだった。

「出されたものは全て食べなさい」

特に厳しくもない父が小さい頃に言っていた事だった。そんな忘れてしまうような流れで僕に言っていたが何故か食事を前にすると思い出させる。

他にも言われたことはたくさんあった。

・お兄ちゃんなんだから妹は守ってやるんだ

・お兄ちゃんは我慢しなくてもいいけど、譲ることもしてあげないとな

他にも言われたことはたくさんあるが、思い出さなきゃ出てこないような事ばかりだった。


 一通り弁当を食べ、腹も少しは膨れたところで通学路へ向かう準備ができた。

今日は午後からだな…。

そう思いつつ昼前の主婦の休憩時間に学校へ向かって行った。






 もう遅刻する事には慣れていた。

自分はもう朝は早く起きれないと思うようになっていた。

この時間の登校は生活指導室の前のノートに遅刻者と遅刻理由を書かなくていけないルール。登校時間と指名と遅刻理由をほぼ僕が独占して書いていた。


5月14日  2-C 清田 環 寝坊

5月15日  2-C 清田 環 寝坊

5月16日  2-B 牧村 悠 寝坊


 今日5日16日にもう先客がいたのかと思いつつノートにいつも通り書き込んだ。

幸いこの学校には不良と呼べるようなヤンキーはいないながらも同じようなヤツはいるんだなと感じつつ、昼休みの騒がしい教室へと向かった。

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