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Grave of poetry in mouth  作者: 敬愛
ポエム
898/900

百足

夜明けの境目を這う影

地を揺らすほどの静寂を背負い

ひとつの胴に連なった無数の意志が

石畳の罅へと吸い込まれてゆく


踏み潰されても終わらない

失われた肢が疼くたび

別の場所で新しい足が芽吹く

記憶すら再生する生き物


人はその形を忌み

その執念を恐れ

畏怖を祈りに変えた


だが 百足は笑っている

闇の奥で 数え切れぬ足をそろえ

音もなく あなたの夢の縁を渡っていく


今夜 あなたが寝返りを打つと

布団の中の温もりに 何かが混じる

背筋を這い上がる柔らかな節と節

息を飲む前に 足音は皮膚の下へ沈み

あなたの心臓の鼓動と同期して

永遠に続く行進が始まる

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