Beautiful Tears
あの人は綺麗な顔で笑うんだ
これが最期と言わんばかりに
だから僕は酷く悲しくなった
自らの涙は存じ上げぬけれど
他人の涙はとても美しく儚い
それを愛別離苦と割り切れぬ
酒で忘れられる悲しみならば
僕はとっくに首を吊っている
永遠とは基本的にお別れの時
もう会えないのと名残惜しく
僕は永遠を信じないと泣いた
孤立無援だから主管奪還宣言
全てを曝け出した君の上下に
痛ましいなと感じるおかしさ
愛おしいなと感じる青空の下
僕はしたいと思う死体だった
色欲に惑えども勇気が出ない
素直になれない自分が嫌いで
今だったら据え膳貪るのにと
後悔と恍惚が入り混じる感情
笑って渡る橋は骨を拾う箸さ
そう諧謔ばかり言う父さんと
母さんの面影僕が受け継いだ
この人生次々訃報がぶっ飛ぶ
いずれにしても家系は没落し
僕も無事ではいられない運命
いっそ死ねば楽かも知れんが
もう逃げないと笑えるからさ
天命が尽きる日までは泣かぬ
それくらい涙は陳腐で美しい
母さんが旅立った日から幾年
今日は父さん 明日も父さん
天国への道は通さんとどうか
神様僕達を優しく叱ってくれ
僕もいずれ同化する痛みにも
たたら踏まず堪える粘り強さ
そんな力があればなと思うよ




