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Grave of poetry in mouth  作者: 敬愛
ミニストーリー6
553/900

1人酒

春が近づいてまた1つ歳を取ったな

なんてニヒルな笑みを浮かべながら

お銚子からお猪口へ日本酒を注ぐ夜


やっぱり誰にも理解されない悲しみ

元々分け合うつもりも無いんだけど


妻の遺影をしげしげと眺めてみると

晩年 そんな言葉が脳裏をよぎって

どうしようもなく侘しい感じがする


質量保存の法則が成り立たないよね

喜びと悲しさには 君達は若過ぎる

だから大局を見切る事が出来ないが

今はそれでも構わない 悟らずとも

いづれ見えて来て実感に変わるから


どうでも良いぜなんてうそぶいても

溢れる隠しきれない涙はとても熱い

歌で救われない世界だからこそ歌う

彼女の行く末は……多分不幸だろう

短い一生の中で何が為せるのか考え

煮詰まって詩になるなら今季の好機


呪い 呪われて 死ぬのが面倒でも

いつかは勝手に死んで灰になるのさ

眠れない夜は長過ぎる興奮のるつぼ

手詰まり感を払拭したいから堪えて


綴る詩に魂は宿ってるのか問い続け

ありもしない答えを探してさまよえ

我らは魂と言う概念に過ぎないから

神になるも魔になるもある意味同義 


等しく命だと知ったならば走り出せ

何度も言うけど明日の事は分からぬ

誰もがその不確定さに恐れを抱くが

行動しなければ何も起こらないのだ

とりあえず部屋を出て月でも見なよ


冬が終わりたくないと懇願か 寒い

祈りの前に跪く景色は変わっていく

酒は飲み干した 夜はまだまだ長い

考える事によるしか存在意義は無い

静かに消えていく蝋燭を今宵守ろう

どうせ死ぬんだ 何でもありじゃい


勃発した紛争などまるで知らないか

おじいちゃんと呼ぶ孫の声が響いた

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