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巣立ち
どうせなんだからさ
私は24人いる 捨て鉢
それもまた嘘で自分が一番可愛い
それもまた嘘で結局は一番水臭い
恥ずかしがりで淫らで定義出来ない
しなくても良い
あの日田んぼのど真ん中案山子みたいに
ぶっ建てられた中学校を卒業した 桜よ
終わった青春 それから流転してスダチかカボスか
甘酸っぱい恋に 酢豚 食欲優先のスポーツマンも
机の一番下に隠したエロ本にドキドキときめいてた
どうせなんだからさ これってマジックワードだよ
頭でっかちじゃ目立って仕方が無いよねシャンプー
それぞれにクロスする道筋も舗装されれば匂いを消されて
体臭はそれほどキツくなく 大衆に鼻つままれない程度で
ニキビ痕が目立つ程度の清潔感の溢れた少年だったかなぁ
回想してみれば特段面白くも無いありふれている普通の人
どうせなんだからさと唱えてもいつまでもここが居場所じゃないし
いつまでもここに居続けられる確証も無いんだ そして人はいつか
仁世から巣立ってく それぞれがそれぞれの悲しみ抱きしめながら