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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕が考えた最強のハーレムもの

作者: 三小宮

「野郎ども行くぞ」

「「「おー」」」

 僕の愛しのエリー、ツンデレのミリー、キザのジュードやその取り巻き達など今まで関わってきた人達がここに一同に会している。この仲間達となら残虐で最低な魔王ラプレルを倒せるはずだ。


 俺はいつもより2倍光っている相棒の聖剣ランドリーを強く握りしめ走り出す。


 この国の未来と栄光をかけた第一撃だ。


 その頃、魔王城と呼ばれる場所では。

「どうして、上手くいかないのよ。私がヒロインなのよ」

 こてこてに化粧をした女性をこの国の第2王子、宰相の息子、騎士団長の息子がなだめている。

「まあまあ、マリア。きっと父も混乱しているだけだ。良くはなせばわかってくれるさ」

「大丈夫だマリア、今回は失敗したが秘密計画第32号をしよう、そうすれば次は成功する」

「そうだ、あの太ったやろうを我が剣の露にしてやろう」

「じゃあ、さっさとやんなさいよ」

 女性が喚くと男達は蜘蛛の子散らしたように自分の計画を実行しようと走り出す。

「あ、時間が無いって言うのに」

 女性は次の手を必至に考える。


 その頃、魔王城面会の間

「なんて、ことでしょう。私がアレックス様と付き合えることになるなんて」

 リリカは頬を真っ赤に染めながら、上擦った声で言う。

「満開の百合の花ように綺麗だ、リリカ」

 第3王子であり、このたび見事皇太子となった男は歯が浮くような言葉を事も無げに言う。

「皇太子様も、気高き獅子のように格好いいですわ」

「まだ、皇太子と呼ばれるとむず痒いよ。本当に棚からぼた餅みたいなものだからね」

 皇太子は自嘲げに呟く。

「そんなこと無いですわ。今まで皇太子様はもの凄く頑張ってきたのですから」

「ありがとうリリカ」

「お兄さまは私が可愛いからって、皇太子様の就任を反対するなんて流石にお兄さまでも許せないわ。確かに、皇太子様に側室が迎え入れられるのは嫌ですけども」

 小さくリリカが呟く。

「どうした、マリアに何かされたのかい」

 皇太子はリリカの瞳を真っ直ぐに見つめる。


 今日、壁は崩れ、平穏は崩された。

 聖剣ランドリー、またの名をロケットランチャーという。

 無辜(むこ)の住民が次々と自動小銃により殺され、建物が重機関銃により壊され、住民を押し潰しながら倒壊していく。

 そこはまるで、人が崇めるサタンが治める地獄のようである。生きとし生けるもの達は銃弾により、事務的に処理されていく。


 そこに、一人の青年が立ち塞がる。そうこの男こそ先ほど皇太子となった男である。リリカと熱い抱擁をかわし、決死の覚悟でここまできた。

 マリアの絶叫が聞こえるが、この男は気にしない。

「我が無辜の国民をこのようにいたぶり殺すなんて言語道断。私が成敗してやる」

「はっ、魔物風情が何いってやがる。お前らが両親、兄弟、近所の友達やおっちゃんを殺したんだろ!」

 二人は対面し、片方はロケットランチャーを構え、もう片方は爪を伸ばし、背中から翼をはやす。

「死にさらせ」

 勇者が引き金を引くと、ミサイルが煙をはきながら飛び出す。その速さ533km/h(きろめーとるぱーあうあー)、零戦の最高速度と一緒である。なんと最高速度100km/時の車の5倍である。

 皇太子は翼を大きく広げ、上に飛ぶ。

 勇者はロケットランチャーの照準を皇太子に合わせ続ける。ミサイルは皇太子を追尾する。

 皇太子は左、右とジグザグに移動するがロケットは皇太子の後ろを追尾し続ける。まるで、マリアに群がる男達のようである。

 皇太子は覚悟を決め、勇者に突っ込む。

 勇者の仲間達からの援護射撃を華麗に避けきり、そして、勇者の心臓に爪がかかる瞬間。ミサイルは皇太子にあたり、勇者もろとも吹き飛ばす。


 その時、時空が歪み。

 一人の男が立っていた。

 日本で灰色の高校生活を送っていた普通の高校生中田 雄二である。

 雄二はここがどこにいるかわからなかった。ただ強い力を持っていることはわかる。

 マリアの絶叫はまた国中に響き渡る。

 街は腐臭で満たされ、女の絶叫が響き渡り(マリアの)、死体がそこらじゅうに広がっている。

 中田 雄二はもう一度言うが、普通の高校生である。そして、例え強い力を手にいれたとしても普通の高校生がこの惨状を見ればどう思うだろうか?

 そう、絶望するのである。

 中田 雄二は光の速さで絶望した。

「あーー、あーー」

 その叫びが世界を満たす。


 そして、サタンが降臨する。


 マリアは恐れていた。前世でやっていた乙女ゲームの知識では、皇太子が死んで、前世では最愛の妹であるリリカが悲しむことを。それが、今、現実になってしまった。第二王子を捨て駒にしようとしていたのに、失敗してしまった。そもそも、マリアの前世は男である。男と付き合うなんてまっぴらごめんだった、妹のために仕方なく相手してやってたら何故かもてる、これがヒロイン補正かと思ったが、最後の最後の一番重要な場面でヒロイン補正がかからなかった。この世界を創造したやつを殴り倒したい気分である。


 そして、今からリリカのためにサタンを腐臭が漂い死霊が踊っているこの街でデートに誘わないといけない。少しトイレで吐いてきてもいいだろうか?

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― 新着の感想 ―
[良い点] すがすがしいほどカオスだった。 [気になる点] 視点切り替えが多くて読みにくかった。 ざまあがよくわからなかった。
[一言] あ~とりあえず むこの市民じゃなくて「無辜(むこ)の住民」じゃないかな
[良い点] スピーディーな起承転結。 [気になる点] 一気に多人数を出しているせいで、人間関係が相当わかりにくいです。
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