表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/44

8話 クールな彼女

パシィ!


「お、捕球上手だな」


カーン。


「お、ミートうまい」


ファーストへの難しいショートバウンドをあっさり捌き、打撃練習も適確にバットに当てる少女が友人の目についた。


「あの先輩でレギュラーの紹介は最後だね。田岡椿たおかつばき先輩だよ。クールでかっこいいんだ」


いわゆる見た目がボーイッシュな感じで、髪も肩まで届かない短めの茶髪である。


「とにかく淡々としてるけど、けっこう顔には出やすいよ」


コツン。


「ふっ」


ミートでセンター方向に3連発すると、口元を少し緩めてクールに笑う。


パシン。


難しいバウンドを取ると、クールに笑う。


フォアボール!


粘ってフォアボールを決めるとクールに笑う。


「というか全部ドヤ顔だ」


完全にどうだ! という顔で、微妙にクールとは異なる。


「あれは何だ? 鏡?」


今度は鏡に向かって何かチェックをしている。


「普段は杏先輩がシャドウピッチングとかに使うけど、決め顔の練習に椿先輩も使うんだって」


「完全にナルシストじゃないか」


「……ナルシストとは失礼だね……。表情やしぐさで余裕を見せつけ相手にプレッシャーを与える、これも大事なことさ。これくらいいつでもできるんだよ、という余裕を見せ付けてね。というか君は誰だい? 女子野球部のグラウンドに男子がいるのはいただけないね」


「あ、俺はマネージャーとして仮入部している野津友人といいます」


「あ、そうなのか。ここにはマネージャーがいなかったからね。これも運命の導きというやつか。いいだろう、私は田岡椿、是非君が入ってくれることを願うよ。マネージャーの不在は厳しいからね。縁が得られるなら、私のことは椿と呼んでくれたまえ。それじゃあね」


「……なんというか、濃いな……」


いわゆる痛い人にも見えるが、そこそこ似合っていて、絵になるのがいいのだろうと友人は思った。


【田岡椿と出会った】

田岡椿


日比野高校2年生。打順は1番でポジションはファースト。右投左打。


出塁率と盗塁成功率に優れる理想的な1番打者。


女子野球部のメンバーの中で1番足が綺麗。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ