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7話 二遊間コンビ

「ジャンピングキャッチ!」


「ゲッツー!」


練習は皆ある程度分かれてやっているが、バッテリーのほかにもう1組一緒に行動している女子生徒がいた。


「あの2人はセカンドの阿南花香あなんなのか)先輩と、ショートの吉川冬香よしかわとうか先輩だね。ずっと一緒に昔から野球をやってる幼馴染なんだって」


「あの2人同い年か。そうは見えんな」


「おい聞こえてるぞ! 失礼だぞ! 冬香が高校2年生にしては大きいからって!」


「花香さん。おそらくですがそれは間違っています。ちゃんと自分の体型を自覚してください。自分を受け入れないのは、非合理的ですよ」


友人の発言の意味はもちろん花香が小さいからである。花香は140センチあるかないかくらいの小柄で顔も幼いショートヘアーが赤髪の少女。冬香は大体平均女子くらいの体格で、キリッとした表情をしているセミロングの青髪少女である。


「な、なにー! そもそもお前は誰だ!」


「それについては花香さんに同感です。ここは女子野球部です。男性がいるのは少しおかしいです。非現実的です」


「俺は野津友人です。マネージャーとして仮入部して、皆さんに挨拶してるんです」


「えー、マネージャーが男の子? それはどうなんだ?」


「いえいえ花香さん。男子野球部には女子のマネージャーがいるのが普通です。ですから、その逆があることもおかしくはありません。どちらにしてもマネージャー不在のまま活動してる私たちは、非効率的です。きちんと仕事をしてくれるのであれば私は歓迎しますよ。はじめまして、私は吉川冬香と申します」


「……一応名前は名乗っておく。阿南花香だ。言っとくが、私のことを狙ってるならただじゃおかないからな」


「いや、まったくそんな気はありませんけど……」


「申し訳ありません。花香さんは見た目は確かに悪くありませんが、少し自意識過剰ではありますので。お一緒に活動をしていただけるのでしたら、私のことは冬香とお呼びください」


「えー、男に名前呼ばれるのー?」


「よろしくお願いします。花香先輩に冬香先輩」


2人の関係を友人は理解した。。冬香はかなり理屈型で落ち着いた感じだが、花香は感覚型で子供っぽい。花香を冬香がフォローする関係であるようだ。


「……友人くんだったっけ? もう1回私を先輩って呼んでくれるかしら?」


「? 花香先輩ですか?」


「…………いい気分だ。よし、ちゃんと先輩として敬うなら、特別に許してやる!」


急に気に入られて逆に分からなくなる。


「すいませんね友人さん。この子明らかに自分より大きい人に先輩って呼ばれて喜んでるんです。小柄なので、これまで後輩にも先輩をつけてもらえず名前で呼ばれることが多かったですから」


「あ、そういうことですか」


「よし、冬香、練習がんばるぞ!」


「はい」


そして2人は練習に戻っていった。


【阿南花香と吉川冬香に出会った】


阿南花香


日比野高校2年生。打順は7番でポジションはセカンド。右投右打。


感性に優れ、適確なプレーを見せる。


女子野球部のメンバーの中で1番髪がサラサラ。


吉川冬香


日比野高校2年生。打順は2番でポジションはショート。右投右打。


計算と論理で常に最適なプレーをこなす。


女子野球部のメンバーの中で1番野球のルールに詳しい。

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