27話 お嬢様が野球をやる訳
「そういえば、弥生先輩は野球をどうしてやられてるんです?」
友人は今更ながら訪ねた。
「そうですね……。もともとお父様が野球が好きで、私もそれを見ているのが好きでした。私は高校を卒業したしましたら、花嫁修業に入ります。私は高校卒業まで本来でしたら、お嬢様学校に通う予定でした。ですが、1度だけわがままを言わせていただきました。男の方の気持ちを知るために、男の方と少しでも触れ合っておきたいと。お父様ははじめは反対されましたが、将来的なことを私が考えたことで説得できました」
「なるほど。確かにほかにはお嬢様っぽい人がいませんもんね」
「はい。それではじめは男子野球部のマネージャーになろうかと思いましたが、それはお父様に反対されました。男の方のいる学校にいれるだけでも妥協したのだから、男の部活に入ることはさすがに認められないと言われてしましまして。それで、どうしようかと思っていましたら、女子野球部が発足するというお話を同じクラスでした花香様と冬香様がお話しされているのを聞きまして、参加させていただきました」
「男性の人とは仲良くなれましたか?」
「それが、あまり芳しくありません……。1年生の間は私から話しかけることもできず、男の方もなぜか私のところに来ていただけず、少し会話をする程度でございました」
「いろいろ難しそうですからね」
明らかなお嬢様オーラが出ている弥生は女性ならともかく、男性が近づくのはなかなか難易度が高い。かと言って、慣れていない弥生が話しかけるのは難しい。だからこそ、弥生はある程度お互いが自然に会話ができる男子部活のマネージャーを狙ったのだが、それは止められてしまったのである。結果的に女性の友人は多く作れたので、学生生活としては満足していたが、当初の目的は果たせていなかった。
「ですけど、こうして友人様とお知り合いになれて、そして、とても素敵な方だとわかって、とてもうれしいです」
「……、そんなに褒めないでください。俺はどこにでもいる普通の男子高校生ですよ」
「だからよろしいのです。私が知りたかったのはそういう男の方なのですから。それに友人様は何よりお優しいです。男の方に私が最も求めるのはお優しいことですから。ですから、卒業までの間、私にもっともっと普通の男の方を教えてくださいませ」
「はい、もちろんです」
【弥生からの評価が無駄に上がった】
弥生のウワサ②
言葉を略すのが嫌いで、パソコンをわざわざパーソナルコンピューターと言ったりするらしい




