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25話 スタメン飛鳥

「お、スタメン飛鳥か」


「え?」


次の練習試合のメンバー表を友人が生粋や凪からもらうと、友人が声をあげて、飛鳥が驚く。


「ほら見てみろよ。7番キャッチャーって書いてあるだろ」


「……、え、実践って試合の途中って聞いてたけど」


「次の試合の練習試合の相手は、去年の私たちと同じかなり新しい高校からなの。だから、新メンバーを試すうえでこのポジションね。大丈夫、私と凪は出るから精一杯フォローするわ」


次の練習試合のスタメンはこうである。


1番 ショート  黒田生粋(2年)

2番 センター  白田英子(2年)

3番 ライト   宮永あずき(1年)

4番 サード   牟田京里(1年)

5番 セカンド  山上さき(1年)

6番 ファースト 安池凪(2年)

7番 キャッチャー丹羽飛鳥(1年)

8番 レフト   伊達すず(1年)

9番 ピッチャー 田岡椿(2年)


「本当だ……」


1年生中心のメンバー構成で、2年生もポジションを入れ替えているかなり変則的なオーダーである。


「椿先輩が投げるんですか……」


「なんだい? 私では不安かな?」


「あ、いたんですか……、いえ、ピッチング練習をしているところを見たことがなかったので。椿先輩が不安というわけではないんですが」


「心配しなくて大丈夫。椿はもともとピッチャーだったからね」


「あ、そうなんですか」


「ピッチャーが1番かっこいいとは思っていたけれどね。杏の才能に勝てないと判断してね……。杏はややスタミナに難があるが、ほかにもピッチャーはいるから私が投げるのは、ある程度余裕があるときさ。私を選んだのは、私が杏と同じくコントロール自慢だからさ。構えてもらえばきちんと投げるさ」


「あ、じゃあ大丈夫ですね」


友人はなんとなく安心した。少し変わっているが、基本的に椿はいい子であり、根拠のないことは言わない。というか、問題度でいうと低いほうだったりする。よほど二遊間とかライトとかピッチャーのほうが問題である。




「さて、寝るか……」


「お兄ちゃん! まだ起きてる?」


「ん? なんだ?」


ここは友人の家。友人が眠りにつこうとしたところで、妹である野津奈波が声をかける。


「えーと……、飛鳥ちゃんが来てるんだけど……」


「ん? 飛鳥か?」


幼馴染で仲のよい2人だが、このくらい遅い時間に顔を出しに来るのはあまりなかった。


「こんなに遅い時間に来るなんて、なんかふしだらなことをするわけじゃないよね……。お兄ちゃんに恋人とか早いよね……」


「なんの話か知らんが、飛鳥が外で待ってるなら通してくれ。外にいたままじゃ悪いからな」


「……わかった。でもなんか変なことしないでよね! 壁に耳ありにしとくからね。変な音したらとんでくからね」


そして、奈波が玄関に飛鳥を呼びにいった。


「あいつ最近変だな。まぁいいか」


「ゆーじん君。ごめんね、こんな時間に」


「別にいいけど、どうした?」


「明日のことがちょっと心配で……」


「明日? ああ、試合か。でも飛鳥はなんだかんだでこなせるし、そこまで心配することないだろ」


生徒会、合唱部、いずれもそつなくそなしていた姿を見ていたので、珍しく不安げな飛鳥に友人は首を傾げた。


「うん、でも生徒会は頑張ればできたし、合唱部はもともと音楽好きだったから、苦手じゃなかったから……。でも野球はさすがにはじめてだし、みんなのレベルも高いから足を引っ張ると思ったら、なんか不安になっちゃって……」


「気にすんなって。練習試合だぞ。むしろ失敗して課題を見つけたほうが喜ばれる。下手にそつなくやろうとすんな」


「うん……、そうだね」


「それにほかのメンバーも1年生だし、2年生のメンバーもポジションをちょっと変えてるから、あくまでもお試しなわけで……」


「……」


「ん? どうした? 妙に静か……、って寝てるし」


友人の最初の言葉で安心してしまったのか、すぐに寝てしまっていた。


「ったく……、高校生になっても変わんねぇな……。学校じゃそこそこいろいろできて頼られてるくせに……」


飛鳥はやや小柄だが、成績もよく、器用で、性格もいいため、周りに何か頼られることも多い。基本的には面倒事も受け入れてやることが多いのである。甘えている相手は友人くらいである。


「おーい、起きろ! こんなとここで寝るんじゃない! 俺をつかむな! 離せ」


この後奈波が部屋に乱入してきたのは言うまでもない。


【飛鳥の評価が上がった】

友人のウワサ②


周りからのあだ名がお母さんだったことがあり、古い友達にはいまだにそう呼ばれるらしい。

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