22話 人材不足
「さて、そろそろ大会も近くなってきたし、いろいろなメンバーを試していこうかしら」
ミーティングを生粋が仕切り、今後の方向性についてメンバーが話し合う。
「大会ですか、時期はいつです?」
友人も興味を持ってミーティングに参加する。野球用語が飛び交わない場合は、ある程度友人も参加できる。
「夏の大会と春の大会。皆が甲子園を目指して戦うの」
「へー、最近は女子も甲子園で戦えるんですかー。俺の知らない間に変わったんですね」
友人は運動は得意ではないが、夏の甲子園くらいは知っている。だが、あえて見るわけではなかったので、細かい実情までは知らなかった。
「と、いうことは予選を戦うんですね。頑張らないと!」
「細かい予選は無いわ。女子野球部はちゃんと正式に試合ができる高校が32校しかないから」
「え? そんなに少ないんですか?」
「ええ、男子は四千を軽く越えるから、単純に言うと100倍以上差があるわね」
「そのうち甲子園に出れるのは?」
「4校よ。1日だけ甲子園を借りて計3試合行うの」
「確か去年はベスト8だったんですよね。じゃああと1回で甲子園だったんですか」
「そう。そしてもちろん今年の目標は甲子園……、いえ、優勝よ。皆それだけの能力はある。そして、私達が去った後も、この日比野高校の野球部にはずっと続いてもらいたいわ」
「1年生のメンバーもポジションが固まってきましたし、来年は楽しみですね」
「ええ、でも……」
「どうしました?」
意気揚々と話していた生粋がやや顔を曇らせた。
「キャッチャーがいないのだけが気になるわ……、来年入ってくれるかしら」
「キャッチャーですか。凪先輩があれだけしっかりされてますからね」
「私は小さい頃からずっと凪と一緒にいたから、キャッチャーで困ったことは無かったけど、私達がいなくなってからのことも考えると、育成は必要ね」
「誰もできないんですか?」
「極論を言えばピッチャーは誰でもできるけど、キャッチャーはそうじゃないの。急遽やれるポジションじゃないから……、でも1年生の子もポジションが固まってて、キャッチャーはさせずらいわ」
「じゃあ飛鳥にやらせてみたらどうです?」
悩む生粋に友人が助言した。
「飛鳥ちゃんに?」
凪のウワサ②
弟と妹が2人ずついるらしい




