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21話 ツンデレな彼女

「さてと……、今日の買い物はどこにか……」


とある日曜日、日曜日だけは部活動も休みなので、友人のマネージャーの仕事もない。


高校生の日曜日としてはやや所帯じみているが、これが彼の日常であった。


「ねーねー、君1人~。俺らと遊ばない~?」


「カワウィ~ね」


そんな感じでのんびり歩いていると、2人の若い男子が1人の女子を囲んでいた。


(ナンパか……、青春だな、元気というか)


そう思う彼自身も青春真っ盛りのはずなのだが、彼は高校生男子にしてはやや枯れていた。


「あ、あの……、えと、その」


(女の子は慣れてない感じか……、……って)


そのチャラ男っぽい男子に囲まれていたのは、日比野高校女子野球部エース、マウンド上では迫力満点の南雲杏であった。


ところが、基本的にマウンドでは寡黙で、たまに友人に絡まれても強気な彼女が、わたわたとしながら、目線が定まらずにおろおろしていた。


(うーん、絡みたくないけど、何かあっちゃまずいしな)


友人は人の恋愛に口を出すようなことはしないが、基本的にはおせっかいである。それが知らない仲ならなおさらである。


「ちょっと、その人困ってるんでやめてもらえませんか?」


というわけで、友人は男子2人に話しかけた。


「あ、友人!」


杏も友人に気づき、声をあげる。


「何だお前は? あ、もしかして彼氏?」


(よし、こういう展開になれば……)


「ち、違う! 絶対に違う!」


(えー、今そこ否定するんですか……)


友人はこういうときの常套句である彼氏のふり作戦をしようと思ったが、即効で否定されて頓挫した。


「あーあー、否定されててかわいそー」


(もー、そんなにしつこそうな人じゃなかったから、彼氏のふりすれば何とかできたのに)


友人もこういう経験が多いわけではないので(そもそもこんな経験はそんなないだろうが)、ここからどう持っていけばいいか分からなかった。


「えーと、確かに……、彼氏でも何でもないんですけど……、でも……、彼女は……、エースだから! 彼女の左腕にはチームの命運がかかってるんです! だから何かあっちゃまずいんです!」


どうしようもなかったので、何とか話をすすめようとした。


「左腕? あ、彼女野球やってるの?」


「そ、そうよ!」


思ったより野球の話はチャラ男に伝わったようだ。


「と、いうわけで、これから道具を見に行く約束があったんですよ」


「え、そんな」


「ありましたよね!」


「う、うん」


友人の2度目の逃げる算段までつぶそうとするので、さすがの温厚な友人もやや強引に杏をうなづかせる。


「でも女が野球なんてやってもなー」


「……なんですって」


そのまま無理に追いかけてくる様子も無かったので、無事に逃げ切れたと友人が安心したのだが、不用意な一言が杏の耳に入ってしまい、また立ち止まってしまった。


「なんだ? 女子の野球なんて遊びだろ」


「あんた達ね……、言っていいことと、悪いことが……むが」


「で、では失礼します。忙しいのでー」


「ちょ、ちょっと、離して……、え、意外と力強? ひ、ひっぱらないで!」


杏が男に向かっていきそうになったので、やはり強引な手段で友人が止める。


本来スポーティーな杏と屋内系の友人では男女の差があっても、押し切られそうなものだが、友人はさぼっているわけではなく、家事を行っている。家事とは割りと重労働なので、それがスポーツなどに生かされるかどうかは別として平均男子の筋力くらいは彼には十分あった。


「も、もういいでしょ! 離してよ!」


ある程度距離をとってから、友人は杏を解放する。


「何すんのよ!」


「何してるのかはこっちの台詞ですよ。杏先輩、別に俺がさりげなく助けようとしたのを2回とも無駄にしようとしたのは別にいいです。でも最後、先輩あの男の人に向かっていって何をするつもりだったんですか!?」


「そ、それは……、バカにされたから、何か言って、一発殴ってやろうかと……」


友人に対して杏は怒ったのだが、それ以上に友人が怒っていたので少しひるんでいた。


「そんなことをして、杏先輩が少しでも怪我をしたら、野球部はどうするんです? 先輩の野球意識はそんなに低かったんですか?」


「…………」


「いいたい人には言わせておけばいいじゃないですか。俺は先輩達のことをかっこいいと思ってますし、だから全力でサポートしてます。ですから、無茶はしないでください」


「……分かったわ……、私が軽率だった……ごめんなさい……」


「分かってくれて安心しました。それでは……」


「待って」


「へ?」


友人はもう杏が大丈夫だと思い、分かれようとしたが杏が引き止めた。


「どうしました?」



「えーと、またあいつらが来たら面倒くさいから、付き合ってくれない?」


「どこにです?」


「新しいグラブを買いに行く予定だったの」


「あ、本当に目的それだったんですか?」


「あいつらがまちぶせとかしてたらいけないじゃん」


「そうですね。行きましょうか」


そして、友人と杏はスポーツ用品店に一緒にいった。


【杏の評価があがった?】

杏のウワサ②


髪の手入れを朝しないとボサボサらしい

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