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17話 友人の秘密 

「すいません。今日はどうしても友人くんが部活に参加できないらしいです」


とある部活動の日。友人が正式にマネージャーとして入部してから初めて部活を休んだ。


「あら、でも仕方ないわね。でも今日は雨天でミーティングだし、そこまで問題はないわ。報告ありがとうね。飛鳥ちゃん」


生粋が報告を受けて、飛鳥に笑顔で返す。



「じゃあ今日のミーティングは終わりね」


ミーティングは終わり、いつもよりだいぶ早く部活としては終わった。


「ねぇねぇ飛鳥。友人って普通の男子とは結構違うよね。なんか理由あるの?」


全員帰ろうとしていたが、飛鳥に京理が飛鳥に声をかけたのが、全員の耳に入り、足が止まる。


「そうだ。友人ってちょっと男の子にしては変わってるぞ。料理半端なく上手って聞いてるしな」


「確かにそうですね。私の知っている男子とは異なります」


「……それよりも、女子がこれだけいて、あれだけ下心を感じないのも驚きだね……、私に女子としての魅力がないかと思ってしまうよ……」


「すごく自然だもんね~」


「気遣いもしっかりしてくれるし」


「ちょっとおせっかいだけど」


「みんな気になるんだね……。飛鳥ちゃん、もしよかったら、話を聞かせてくれる?」


「…………、皆さんならいいかな…………、あまりこの話をゆーじん君はされるのが好きじゃないんです……。ですから、他言無用でお願いします」


「……ええ」


基本的に明るい飛鳥が、この話を振られたときだけはやや顔を曇らせたが、周りを信用して話すことにした。


「では話をします……。私とゆーじん君は幼馴染ですが、私のお母さんとゆーじん君のお父さんも幼馴染なんです」


「え? どういうこと? 両親が幼馴染なんじゃなくて、友人君のお父さんと飛鳥ちゃんのお母さんが幼馴染なの?」


やや複雑な関係に、さすがの生粋も困惑していた。


「ええ、年はゆーじん君のお父さんのほうが1歳上ですけど。小学校からの幼馴染で、2人とも運動部に所属していて、先輩後輩の関係でした」


「その2人には恋愛関係はなかったの?」


「はい。お母さんは頭がよくて、社会に出たい気持ちが強くて、主夫みたいな人を相手が理想で、それはゆーじん君のお父さんも同じでした。でも、しっかり仕事をするためのパートナーは欲しがってたそうです。それで、ゆーじん君のお父さんと私お母さんはお互いの友人をそれぞれ紹介しました。それが、私のお父さんとゆーじん君のお母さんになりました」


「複雑だね……。縁というのはいろいろなところであるものだ」


「お父さんはゆーじん君みたいな家事好きな人で、ゆーじん君のお母さんはまさに良妻賢母という人でした。そのまま私たちが生まれて、ゆーじん君と私も仲良くなって、幸せに過ごしていました」


「……いましたって……」


「私たちが4年生のときに、ゆーじん君のお母さんは病気で、私のお父さんは交通事故で全く同じ年に亡くなりました」


「…………え……」


その告白に、全員が息を飲んだ。


「ゆーじん君のお母さんが病気がちになっても、お父さんが両方の家の面倒を見てくれてましたから、何とかなってましたが、2人とも亡くなったので、大変なことになりました。もちろんゆーじん君のお父さんと私のお母さんが受けたショックは大きかったですが、それはお互い励まして、何とか乗り切れました。ただ、それ以上に、私たちを育てる見込みが立たなくなったんです」


「家事ができる人がいないからだね」


「はい。2人とも仕事人間で家事はさっぱりでした。私たちはまだそれでもよかったですが、ゆーじん君の家にはまだ幼稚園の5歳の妹がいたんです。それで、どちらかが仕事をあきらめるという話になりました」


「それで……」


「でも2人に仕事をして欲しかったゆーじん君は自ら家事を志願しました。最初は2人とも無理だろうと思ってたらしいんですけど、ゆーじん君はお母さん似で、家事が上手な子でした。私はお母さん似で家事とかするより、部活とかに入って活動してたのであまり知らなかったんですけど、私のお父さんからも家事を教わっていたそうです。それで、しっかりと家事をこなしてくれました。家の家事はもちろんですけど、私が好きにやれるように、うちの家事もやってくれて、何より妹の幼稚園の送り迎えや、お風呂に入れて、寝かしつけてから、宿題とかをして本当に頑張ってました。私も手伝おうとしたんですけど、気にしなくていいって言ってくれまして……。中学校3年生になって、妹が4年生になって、家事を手伝ってくれるようになって、最近ようやく余裕ができて、高校では何かやりたいっていう話を……、……皆さん? どうしたんです?」


飛鳥が話していると、いつの間にか、すすり泣く声がミーティングを行っていた部室を包み込んでいた。


「いえ……、ちょっと心に来るものがあるわね……」


「私お弁当作ってもらうの最近当然みたいになってて……」


「あのおせっかいもそのせいなのね……」


「私にも妹がいるけど、苦労のレベルが違う……」


「いえいえ、そんなに湿っぽくならないでください。もちろん、お父さんがなくなったときはかなしかったですけど、私にはゆーじん君のお父さんがいてくれたので、寂しくはなかったです。お父さんとお母さんが今でもいるみたいなものですし。ゆーじん君の家事好きはもともとで、この事件でさらに目立つようになっただけですので。本当に気にしないでください。ゆーじん君は好きでいろいろやってます。今回の話は、ゆーじん君が何で家事好きなのかのきっかけに過ぎないことですから、これで気を使われるのは嫌でしょうから、今まで通りにしてあげてくださいね」


「もちろん。約束だからね」


こうして、友人の事情を女子メンバーは知ることになった。


【友人への全員の評価が上がった】




飛鳥のウワサ①


怖い話が大好きらしい。


友人のウワサ①


3時間寝れば眠くならないらしい

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