表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/44

13話 注目

キン、キン。


右打席から綺麗な流し打ち。


カキン! 


左打席から豪快な引っ張りうち。


パァン!


やや難しい背走キャッチもこなす。


「上手ですよね。漆原先輩は」


「ええ、地味だけどスイッチヒッターで、小技ができる漆原は貴重ではあるわね」


友人が生粋と一緒に練習を見ているのは、漆原陽菜。日比野高校女子野球部のセンターであり、8番打者。ただこのチームにおいては、8番打者は3番打者に近い役割も果たす。


「そういえば、何で皆名前で呼び合ってるのに、漆原先輩だけは苗字なんです?」


「特に意味はないんだけど……、私と凪と漆原は小学校時代からの付き合いがあって、凪は幼馴染でそれよりも付き合いが長いから、名前呼びなんだけど、漆原は小学校のときに知り合って、そのとき漆原って呼んで、そのままここまで来ちゃったから、私と凪もそのまま呼んでて、そしたら、周りも皆漆原って呼ぶようになっただけよ」


「ああ、確かに1回呼び方が馴染むと、あえて言い直すのも変になりますもんね」


「クラスメイトもそのせいか漆原って読んでるけど、別に仲が悪いわけじゃないわ。とても気が利くいい子よ。日直が休めば代わりに仕事してるし、教室の掃除もこまめにしてくれるし、本当はもっと豪快にバッティングしたいのを、抑えて小技に努めて貰ってるし……、ただちょっと地味なの。打撃もあまり大味じゃなくてそつなくこなすし、守備もポジショニングがいいから、普通に取っちゃうから目立てなくて」


「最初忘れかけてましたもんね」


「いてくれないと困るんだけど、いなくなってからいないと困ることに気づくタイプなのよ。成績や体力もちょうど真ん中くらいであまり課題もないから。つい手がかからなくて、存在を見失っちゃうの。だから、友人君には少し漆原を気にしてくれてもらえると助かるわ」


「俺は皆を共通で気にしますから」


「お願いね」



「ねぇ生粋。最近すごく見られてる気がするんだけど……」


数日後、陽菜が、生粋に相談を持ちかけた。


「そんなことないわ。友人君は皆のことを平等に見てるわ。漆原は地味だから、見られなれてないんじゃないの? 自意識過剰になっちゃった?」


「そ、そんなことないけど……、見られるって割と緊張するね。しかも男の子だし……、生粋はいつもこんな感じでしょ……」



「いい緊張感をもてるのはいいじゃない。試合にも生かされるわ。だからそのままでお願い」


「……分かったけど……」


そして、陽菜は友人の目線を常に気にしつつ、練習することになった。


【陽菜の練習精度があがった】

陽菜のウワサ①


目立つのは嫌いらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ