プロローグ 日比野高校女子野球部
「それでは先攻、日比野高校の選手を紹介いたします
『1番、ファースト、田岡さん』
『2番、ショート、吉川さん』
『3番、サード、牟田さん』
『4番、レフト、黒田さん』
『5番、ライト、盛田さん』
『6番、キャッチャー、安池さん』
『7番、セカンド、阿南さん』
『8番、センター、漆原さん』
『9番、ピッチャー、南雲さん』
以上が日比野高校のスターティングメンバーになります」
メンバーの紹介とともに、甲子園にサイレンが鳴り響く。
今日は甲子園での全国大会の決勝の開始日である。
「皆さん! 頑張ってください!」
日比野高校は先攻なので、1番打者が準備をしているものの、全員がベンチにいる。
そんなメンバーに真っ先に大きな声援を送ったのは、野津友人のつゆうと。
さきほどのスターティングメンバーに名前が挙がっていなかったので、もちろんスタメンではない。
もっと言えば、控えの選手でもないし、リリーフピッチャーでもない。
さらにいうなら、ベンチ入りできないメンバーというわけでもない。
彼はマネージャーなのである。
野球部メンバーを支えるまさに縁の下の力持ちの存在。
「ええ、もちろん勝つわ。優勝しか目に見えていないもの」
その友人の声援に、皆がこたえる。そして、その皆は全員女子である。
そう、今日は女子野球部の全国大会なのである。
これは、女子野球部の快進撃を1人の男子高校生が支えて行く、そういう物語である。
まずなぜ彼が女子野球部のマネージャーをしているのか。そこからまずはじめよう。
ある程度登場人物を考えてから、物語を考えて、いい感じになってから作品を書くのですが、登場人物に対して物語が浮かばなかったので、一気に登場人物を出せて、なんとか現実世界恋愛をかけないかと考えた結果こうなりました。
野球部の話ですが、野球はほどほどにしておきます。
あとがきで登場人物の小ネタを入れます。