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028 え?魔王城突入早すぎね?

ごめんなさい遅くなりました。














 王とは、威厳に満ちた者である。

 とりわけ、キャメロットの王は相対するだけで息の詰まるような威圧感を放つ。

 そんな存在を、今の今までろくな威厳に触れてこなかった男が前にしたらどうなるだろう。


 ──いやぁあぁああああ、なんだこいつはぁ!!身体ごっつ!!目ぇこっわ!!やべぇよ、マジでやべぇ。素手で首ねじ切れそうだもん。


 まあ、こうなる。


 玉座から伸びるレッドカーペットの上に跪き、こうべを垂れる蒼流の姿。

 だだっ広い部屋には、貴族が両サイドに並び、入口の門と玉座に身を預けて座る、綺麗に切りそろえられた白い無精髭の王様の付近には、数人の近衛兵がピンと背筋を伸ばしている。


 そりゃそうだよね!王城に住ましてもらってるのに一回も顔合わせないっておかしいもんね!


「──勇者清水蒼流よ。先ずは世界を救う決断に感謝する」


 静寂の中で、王様の堅い口から発せられる、低く分厚い声音が重々しく響いた。


「そして、お前にはこれから魔王城に向かってもらう」

「え?」








 ■■■








 見渡す限りに広がる大草原を、左右に分かつようにして踏みしめられた固い土の道。広大な自然のただ中で、(くずお)れる少年と、それを囲む数人の人影。


「早くない?早いよね。まだ始まりの町すら抜け出せてないよ。レベル1で魔王城攻略とかどんなクソゲーだよ」


 あのヒゲオヤジめ、呪ってやる。


 蒼流の頭で深い皺の刻まれた如何にも厳格そうな王様の顔面がチラつく。


 大きな溜息。何処か諦めたように立ち上がる。


 まあいい。こっちにはシルとヤミリーとサミとリリエルがついてる。いざとなれば他力本願でいこう。


 横目に見るキースを除いた〈ソウリューズ〉の面々、因みにキースは今回お留守番だ。前回のクエストで相当心をすり減らしたらしく、あれから部屋でいじけてる。


「はあ、行くかぁ」


 最近、よく溜息をつく。




 暫く歩いていると、不意に視界が暗く陰った。

 蒼流はただ、半開きの口で呆然と突っ立ている。

 それも仕方ないだろう。今の今まで青々と茂っていた草の絨毯が、ある一線を境に、全て紫色の不穏匂わせる草たちに早変わりしたのだから。

 同じ一線で突如曇り始めた重く暗い雲が、空の彼方まで覆い被さっている。

 寒い風が紫の床を不気味に揺らす。

 擦れ押し合う草たちと、それを撫でる風のざわめきが、蒼流たちパーティを歓迎する。



 ──そこは、魔族領。











書こうと思って書き始めたら上手い文章が出てこない。······何故だ。

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