023 スケルトン討伐クエスト その1!
遅くなってすいません。最近リアルの方が忙しくて、投稿遅くなりがちです。
キャメロット王城の正門前に集まる六人。
青のラインが入った白い服に、黄金に煌めく剣を腰に下げた男、清水蒼流。
ピッチリとした白い服と、艶のあるニーソックス。そして極細の銀色の剣を携えるシルヴィア・アン・ローズリー。
胸当てと膝当てだけした軽装備に、紅い篭手を腰の後ろにセットしているヤミリー・ヴィール・コンスタンティン。
青と藍の魔法服で、手には何も持っていないサミ・ニーム
申し訳程度に胸だけ隠す一枚布と半ズボンで、黄色の大弓を背負ったリリエル・ソティ・ムニィ。
特に何も持たず、普段着に身を包む場違いマン、キース・カルマリオン。
「······なんで君たちもいるんだい?」
蒼流とデートに行くということで、平静を装いながらも飛び跳ねる思いで待ち合わせ場所の正門に来たはいいが、そこには既に蒼流に群がる他の人間どもがいたのだ。
サミは敵意をふんだんに滲ませた瞳で蒼流以外の四人を睨む。
「ヒッ」っと掠れた声が三つほど響いたが、殺意にも似たそれを最も向けられていた筈のシルとヤミリーは、まるでそよ風でも受けるかのように澄ました顔を崩さない。
「なんでって、これからソウリューズ全員でクエストに行くからに決まっているでしょう?」
「もしかして······聞いて、ないの?」
サミが口をぽかんと開けて呆ける。数秒後、「あ」と漏れ出た音と共に、光を失った目を落とす。
「──うん、そういうことかい、だいたい分かったよ」
死んだ目をしたサミが、蒼流に抱きつく。身長のせいもあって、ハイライトの消えたサミの双眸が、下から覗き込んでくる。
君たちはいちいち抱きつかないと会話が出来ないのかな?お医者さんに診てもらおっか、主に頭を。
「ねえそーりゅう。なんで黙っていたんだい?おかしいよね?ボクはこんなにも君のことを思っているのに、──ああそうか!この雌犬共に脅されてたんだね。そうだよね、そーりゅうがボクのことを裏切る筈がないもの。気づいてあげられなくてゴメンね?でも大丈夫だよ。これからはボクがずーーーーーっと傍で守ってあげるから」
ゴメン、本当のこといったら面倒くさそうだっただけなんだ。怖いから言わないけどね!
「うふふ、勘違いも甚だしいですね。蒼流様にはわたくしという生涯の伴侶がいるのです。貴方など眼中に無いんですよ」
ヤミリーが毅然と笑う。その姿からは、強者の余裕というものが見て取れる。
可笑しいな。俺ってばいつ結婚したんだろう。
「馬鹿言ってないで行くわよー」
冷たく尖った空間に背を向けて、リリエルは歩き始める。
その一声で、少しは頭が冷えたのか、垂れ流す殺気と敵意が薄まって、歩き始める蒼流の後に続く。
リリエルの華奢な背中を見つめ、仕切り役の大切さと、リリエルの度胸を再確認する蒼流とキースであった。
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墓地に到着した蒼流一行。辺りを見回すと、大きな葉を大量に付けた背の高い木たちが、太陽の光を拒んで薄暗い森の中に、明らかに異質な開けた場所。禍々しい雰囲気漂うそこは、木は枯れ草は枯れ、終いには横倒しになった墓石すら見受けられる。
──その中に、
いくつかの人影が、がしゃがしゃと喧しい音をたてて行き先もなく歩き回っていた。
いや、人影と言うには余りにも細すぎる。
不規則な音を何重にもした不出来な交奏曲。
────ふいに、蒼流の足下でぱきりと音が鳴った。
それは、小さな小枝で、蒼流の体重に耐えきれず折れてしまったのだろう。
瞬間、人影が一斉に蒼流を向いた。
「え?」
白い頭蓋骨に赤い目玉を灯らせ、侵入者目掛けてスケルトンは一斉に飛びかかった。