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Ancient Alchemist Online  作者: はむだんご
一章
16/39

1-16




「ヨシノちゃん大丈夫だった!?」

「お~う……死にかけたがな」


 う~ん、やはり人型の魔物でないと動きが予想しづらいな……。


「ヨシノちゃん!首の付け根の逆鱗が弱点よ!そこ狙える?」

「やってみる!」


『グルァァァァァ!!』


 姉がヘイトを稼いでいる今がチャンスだ。ローブの隠密を発動させ、出来るだけドラゴンの視界に入らないように背後に回り込む。……どうやら姉に夢中のようで、こちらには気づいていないようだ。


「ブレスくるわ!」


 ――今だ!!


「跳躍っ!」


 体術スキルのアーツ<跳躍>を使用し、地面からおよそ3mの位置にある首に向かって飛び乗る。


「ガトリング!ガトリング!!」


『グルァァッ!?』


 ――ドスゥンッ!


 ドラゴンの弱点、逆鱗にガトリングをゼロ距離で放つ。マジックサークルはAPを100も消費するため、連続で2回しか使用できないが、敵をひるませてブレス攻撃をキャンセルさせることが出来たようだ。


「ナイス!皆、一斉攻撃よ!」

「「「応!」」」


 ブレス攻撃のキャンセルに成功したことで敵がダウンし、十数秒間動くことができなくなる。こうなると攻撃し放題のサンドバッグの出来上がりだ。……時間制限はあるけどね。


 まだドラゴンの首の上にいるので、杖で逆鱗を殴り、MPとAPがたまればガトリングを撃ち込むの繰り返しだ。


『グルアァァァァァ!!!』


「うおっ!?」

「「「「ヨシノ (ちゃん)!」」」」


 まずいっ、逆鱗に攻撃を当てることだけに集中していたせいでダウン時間のことを考えてなかった……!


『グラァ!グルアァァッ!』


「わっ、ちょっ!?」


 俺が首にしがみついているせいか、ダウン状態から起き上がったドラゴンがじたばたと暴れはじめた。まあじたばたなんて可愛い表現をしているが実際はもっと凶悪な物だ。首を爪で殴りに来たり、突然ごろごろし出したり、果てには飛んでからの地面すれすれまで自由落下だ。……ちびりそうです。


「って、まて!?フリーフォールはヤバいって!ぎゃぁぁぁぁぁ落ちるぅぅぅぅぅっ!!!」


 地面に向かって真っ逆さまだ。どんな絶叫アトラクションだよ!?


「ぐっ……ステップ!」


 さすがにこのままではやられてしまうと思い、しがみつくのを止めて湖のある方向に向かってステップを使い、跳んだ。


 ――ザブゥゥン!!


 なんとか思惑通りに湖に着水できたようだ。ていうか、後1mずれていたら地面と衝突していたところだった。……あぶねぇ。


「ぷはぁっ……また死ぬかと思った……ん?」


 あれ?幻覚でも見ているのだろうか……。いや、あり得なくもないんだが……ドラゴンが地面に突き刺さっている!?まじかよ!?ドラゴンって実はバカなんじゃねぇの?考えなしにフリーフォールして地面に突き刺さっちゃうくらい俺が首にしがみついてるのがいやだったのか……?


「いや、尻尾しか見えていない時点でバカ確定だな、うん」


 いくら何でも衝突直前には危機感を覚えて止まるもんだよな、うん。


「まあ、後はフルボッコのお時間ですよぃっと」






 ピコンッ


――――――――――――――――――


Uイベント : 屋敷に巣くう竜 をクリアしました


称号 : ドラゴンスレイヤー を獲得しました▼

  ドラゴンの討伐者達に与えられる称号。この称号を持つ者は民から絶大な信頼を得られる。


  ドラゴン種に対する攻撃力×1.2



称号 : 一騎当千 を獲得しました▼

  圧倒的不利を覆した者達に与えられる称号。歴史に名を残した戦士達は皆、この称号を持っていたらしい。


  全ステータス×1.2



アクセサリー : 竜水晶の数珠(U) を獲得しました▼

  アーツ、もしくは魔法をAP、MPを支払ってストックできる。ストックされたアーツ、魔法はAP、溜め、MP、詠唱を必要としない。


  INT×1.2

  MND+30

  ストック数(0/10)


――――――――――――――――――




「ぷはぁっ!!はぁ……はぁ……」

「ヨシノちゃん大丈夫ですか!?」

「お、おう……なんとか」

「それはよかったです」

「しかしヨシノや、ちと湖に落ちすぎではないかの?」

「実は泳ぎたいだけなんじゃないの~?」

「ちげぇよ!好きで落ちてるんじゃないやい!」

「ドラゴンに10回は吹き飛ばされていたのです……」

「うっ……」


 だって尻尾が!俺が集中力きらしたタイミングを狙ったかのようにぶん回してくるんだもんっ!!


 結局あの後から倒すまで2時間かかった。理由としては尻尾がめちゃくちゃ硬かったこと、そして時々尻尾をぶん回してきたことだ。尻尾に付いている鱗を破壊して弱点を露出させるまでに大体1時間半かかってしまった。


「俺の話は良いから、報酬の確認をしようぜ」

「それもそうね」


 さてさて、ログの確認をっと……お、レベルが30になってる。これで前衛魔術師に転職できるな。それから杖スキルのレベルが15になって、AP20を消費してMPを5回復するアーツが増えたようだ。そこそこ使い勝手が良さそうだ。


 それで今回の報酬はドラゴンの素材と称号と……って、まてまてまて!なんだこの一騎当千とか言うぶっ壊れ称号は!全ステータス1.2倍って……。それにこのユニーク装備もなかなか壊れだな。現状2連続でしかガトリングを使えないのにこれ一つで10回増えるのだ。ダウン時に使えれば大ダメージ間違いなしだ。


「こ、これは……」

「チートなのです……」

「いいじゃない、使える物は何でも使うわ!」

「まあチート云々は置いといて、戻ってじいさんに報告しに行こうぜ」

「おお、ついに家が買えるのね!」

「楽しみですね」







~ 王都ルブルム ~


「え!?ほ、本当に倒してこられたのですか?」

「ええ。ほら、ちゃんと称号があるでしょ?」

「なっ、ドラゴンスレイヤー……初めて見ました……」

「そうなの?」

「はい、なにせドラゴンスレイヤーと言えば勇者の持つ称号として有名ですからな。お目にかかれる機会など、一般人にはありません」

「勇者、ねぇ……」


 これ国に見られたら「おお!そなたが勇者であるか!是非我が国、いや人類のために~~」とかなったりしないだろうか……。めんどくさい、絶対めんどくさい。


「あの、このことは内密に……」

「ええ、もちろんでございます。お客様の情報を漏らすなどオーナー失格でございます」

「ありがとう、それで家は……」

「はい。約束通り、800万Gでお譲りいたします」

「買った!」


 こうして格安で屋敷を手に入れることが出来たのだった。






「改めて見てみると良いところだな」

「ですね~」


 森の奥にぽっかりと空いた場所に湖と屋敷が隠れ家的な雰囲気を醸し出していて、とても厨二心がくすぐられる。ちなみにオーナーの執事さんの話によると他のプレイヤーには湖は見えるが、屋敷は見えないし触れないようになっているらしい。家に招待する意思がある場合は別らしいが。


「湖に魚がおるようじゃし釣りも楽しめそうじゃな!」

「あれ、湖に魚いたっけ?」

「いや、あれはイベント専用の特殊フィールドだからいなかっただけじゃろう」

「あ~、なるほどな」

「中も見てみましょうか」

「なのです!」


 中に入ると正面に階段があり、そこを上がりきった踊り場のの壁に誰かの肖像画が飾られている。そこから左右に階段が伸びていて、二階に行ける構造になっている。そして天井には、いくらするのかわからないくらい豪華なシャンデリアがこのロビーを照らしている。


「「「「「ほえぇ~……」」」」」


 すっげぇ綺麗だけどこれはこれで落ち着かないかもしれない……。


「よし、探検しましょ、探検!」

「はいはい、それじゃあ適当に回って自分の部屋にしたいところを探そうか」

「はい」

「了解じゃ」

「なのです!」


 と、いうわけで早速見て回ることにしよう。






「広すぎだ!!」


 屋敷の確認を初めて早1時間、まだすべてのどころか半分すら見れていない。これまで確認してきた部屋の数は100を超え、無限にあるのでは?とすら思えてくる。


「つか、絶対外見の大きさに釣り合ってないだろこれ」


 外からみた感じでは20部屋くらいかな?と思っていたらこれだ。完全にファンタジーをなめていたようだ。


「そういや地下に生産施設があるんだっけ……部屋の確認は諦めてそっちを見に行くか」


 ロビーの正面階段の裏側に地下に続く階段があるのでそこに向かう。


 ロビーに戻ってきて階段を降りると、壁にある蝋燭が廊下をやさしく照らしていた。


「こういうの雰囲気あって良いよなぁ」


 廊下の奥、行き止まりには一つの扉があった。


 ――ガチャッ


「あら、ヨシノちゃんもここに来たのね」

「あ、姉さん」


 ん、"も"?


「あ、ヨシノちゃんも来たんですね」

「どうやら全員集まったようじゃの」

「部屋が多すぎるのがいけないのです!」

「え、ええと……」


 どうやら皆部屋を確認するのに飽きてここに来たらしい。


「皆部屋はここの仮眠室にするって。他の部屋だと落ち着かないし、ここだと起きてすぐ生産活動できてちょうど良いのよねぇ」

「なるほどな、そういうことなら俺もそうしようかな」


 俺の部屋も生産施設の仮眠室の一室に決まった。




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