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第84話 〜月夜〜

2人っきりの夜

俊也は少し話しでもして寒さを忘れたかったので聞いてみることにした。

俊也

「意外だな、千夜にも苦手なものがあるなんてな。」

千夜

「あんた私を何だと思ってたのよ。」

俊也

「さぁ、何でしょうかね。」

俊也はローブに体を全部包み込んだ。

俊也

「おっ、これ結構いいぞ、千夜もやってみろよ?」

千夜は少しそれをみて迷っていたが寒いのが本当に嫌いらしく真似してローブで体を包んだ。

俊也

「どうだ?」

俊也は素直に感想が聞きたかった。

千夜

「・・・悪く、ないわね。」

俊也は少し千夜がいつもと違うような気がした。

俊也

「なんか感謝とかないのか?」

俊也はいつもと同じように言う。

千夜

「ありがと、う・・・」

俊也は何となくローブの中に顔も突っ込み体育座りをして続ける。

俊也

「何だよ、こうゆう時こそつっぱれよな。」

俊也は千夜がいつもみたくお前に感謝なんか死んでもしない、みたいな返事を期待していたので少しがっかりだった。

俊也

「でもさ、何で寒いの苦手なんだ?」

俊也はローブの中で両手に息を吹き掛けながら返事を待った。

が返事は帰ってこない。

俊也

「無視すんなよ、千夜。」

俊也はそっけなく言うが何だか聞こえてるのかわからなかった。

俊也

「あのー、このままじゃ俺変な人になっちゃうんですけど。」

俊也は取り敢えずボケてみてツッコミを待った。

・・・

ちぇ、ツッコミも無いのかよ。

しかしここまで無視されると何かむかつくな。

俺はそんな悪い事言った覚えもないのに・・・

俊也は静かになってやっとある変化に気付いた。

ん?・・・

誰かの呼吸がやけに聞こえる・・・

って千夜しかいないか。

が俊也は嫌な予感がし顔をローブから顔を出し千夜の顔を見た。

すると千夜のほっぺが赤くなっておりはぁ、はぁと息苦しそうに汗を流していた。

俊也

「!!?!」

俊也は千夜に呼び掛ける。

俊也

「おい!!千夜!!どうしたんだ!?」

俊也が肩を揺らそうと触れた瞬間に千夜は力なくそのまま倒れた。

俊也は一体何が起きたのかわからなかった。

が、千夜がやばいということだけは直感で体が動いた。

俊也はすぐに千夜を仰向けにさせおでこに手をあてる。

俊也

「熱っ!!・・・千夜、どうしたんだ!?」

千夜のおでこは昼の砂漠の砂と同じくらいに熱く呼吸がうまく出来ていないようだ。

千夜

「ちょ、っ、と、はぁ、疲れた、だ、け・・・」

千夜は無理矢理喋り体を起こそうとする。

ガッ。

千夜

「わっ・・・・」

千夜はいつになく弱い声で喘ぐ。

俊也

「何してんだ!!こんな熱あるのに!!いつからだよ!!」

今の千夜は俊也の気迫にすら押し負ける程に弱り切っていた。

千夜

「・・夕、方、はぁ、くら、・・・い・・・」

俊也

「でも何でこんな急に・・・」

俊也はそれを考えようとしたが今はそれどころでは無かった。

俊也は自分のローブを千夜に掛ける。

俊也

「千夜、服、貸して!!」

千夜は朦朧とする意識で宝石を取出し何着かの服を千夜にさらに被せる。

俊也

「とにかく体を暖めて・・・」

俊也の頭に浮かんだのは濡れタオルで汗を拭く事だった。

俊也

「そうだ、水・・・」

俊也が荷物から水を取り出そうとした。

ガッ・・・

俊也は急に袖を掴まれ振り替えると千夜が必死に言った。

千夜

「これ、じゃ、はぁ、はぁ、俊、也が、風、引く・・・」

俊也

「俺はいいから、動くな!!」

俊也は多少怒鳴らないと黙らないと思った。

千夜は掴んでいた袖を離すと同時に意識が飛んだ。



ピチャ・・・ギュゥ、ポタポタ

水、の音・・・?

千夜は意識が戻ったようだ。

俊也

「千夜、頑張れよ・・・」

俊也は千夜の顔の汗を濡れタオルで丁寧に拭きながら言う。

どうやらまだ千夜が目を覚ました事に気付いてないようだ。

冷たくて、気持ちい・・・

千夜は少し体のだるさが抜けた事に気付いた。

もしかして、ずっと看病を・・?

すると千夜のおでこに少し暖かいものが触れた。

俊也

「・・・すこし熱、下がったかな・・」

俊也は千夜のおでこから手を離そうとした時手を掴まれ驚いた。

千夜

「もう少し、このままにして・・・」

俊也は千夜が目を覚ましていたことに気付いたがやさしく頷いた。

俊也

「あぁ。」

千夜は俊也の手を掴んだまま目を閉じた。

俊也の手、こんなに冷たい・・・

きっと、ずっと水でタオルを濡らしてくれたんだ。

私の為に・・・

でも、私に触れている手の部分はどこか温かい。

それに優しくて・・・

千夜が少し微笑んだ事に気付いた。

俊也

「どうした?」

千夜

「何でもないわよ・・・・・がとう。」

俊也は千夜が最後になんて言ったのか聞こえなかった。

俊也

「今最後になんて言ったんだ?」

千夜

「秘密よ・・・」

俊也は千夜が元気を少し取り戻してくれた事が嬉しくてつい顔が綻んだ。

それに気付いた千夜が俊也の手をぐいっ、と何かを伝えるように引っ張る。

俊也

「ん?、どうした?」

千夜はまた手をまた引っ張りどうやら近くに来てほしいようだ。

俊也は体を寄せ顔を近付けた瞬間。

ガッ。

俊也は急だったのでその引っ張られたまま千夜の横に倒れる形になった。

俊也

「何すんだよ・・・」

俊也はぶつけた部分を擦りながら言った。

するて千夜は俊也の横に顔を近付け言った。

千夜

「寒いでしょ?入って。」

そう言って千夜は毛布のように何十にも重なっているローブや服を俊也が入れるように上に上げる。

俊也

「い、いいよ、俺は・・」

と俊也が体を起こそうとすると千夜が腕を掴んだ。

千夜

「寒いから・・・二人くっついた方が、あ、暖っかいの・・」

千夜は熱とは別の意味で顔を赤くしたが今は熱と勘違いするのでわからなかった。

俊也

「・・・わかったよ。」

俊也は少し恥じらいながらも千夜に寄り添うようにその中に潜った。

千夜

「暖っかい・・・」

俊也

「ほ、本当だな・・・」

俊也の左腕は千夜の右腕にくっついており隙間はない。

うわっ、千夜に触れたのって初めて!?

俊也は内心かなり動揺していた。

千夜

「?汗かいてるけど大丈夫なの?」

俊也は緊張して汗をかきまくっていた。

俊也

「え?あ、だ、だ、大丈夫だよ!?」

千夜

「ならいいけど・・・」

千夜はそっと俊也の方に体を向けた。

俊也は顔は真上を向きつつも視線だけは千夜を見ないように頑張っていた。

スッ・・・

千夜はゆっくりと俊也の左腕に抱きついた。

俊也

「ちょっ!?ち、ち、千夜!?・・・・って」

俊也が千夜を見ると千夜は既に寝ていた。

俊也の左腕を抱き締めたまま。

ま、待て、起きてくれ、頼む!!

てか千夜の・・・左腕にあ、あ、あ、あたってる。

や、やばい、この感触はやばい!!

いくら純粋な高校生といえどこれはやばい!!

あ、理性を保て・・・

落ち着くんだ、落ち着けば・・・

って余計に感触が・・・

千夜

「・・・俊也・・・・」

俊也

「ひゃい!!?」

俊也はかなり裏返った声を上げた。

俊也はやっと目を覚ましてくれたと安心して千夜を見ると。

ね、寝てる!!??

ってことは寝言・・・

な!?さらに抱きついて・・・

あぅ!?もう俺死んじゃう・・・

俊也は耐え切れずに気絶するように眠りについた。

二人の間にはとても深い絆が出来た瞬間だった。



翌朝。

先に目を覚ましたのは千夜だった。

千夜

「ん・・・」

千夜は目を擦りまず一番最初に見えたのは砂漠を徐々に照らす朝日を放ち輝く太陽だった。

もう、朝か・・・

あれ?というか私いつ寝たのかしら?

とふと千夜が右を見ると俊也が気持ち良さそうに眠っていた。

随分疲れてたみたいね。

・・・ん?

千夜は自分の潜っている場所と俊也が潜ってぐっすり寝ている場所が同じ所だと気付いた。

千夜

「え?え?え!?、い、い、一体何が・・・??」

さすがの千夜もまったく状況がつかめない。

た、確か昨日飛竜の片翼の下で風を凌げる場所を見つけて・・・

ローブに潜って・・・

どうしたんだっけ?

千夜はまた俊也をチラっと見た。

千夜

「・・・俊也?」

千夜は起きてるか確認するべく小声、で聞いた。

俊也

「すぅ、すぅ・・・」

俊也は完全に深い眠りについていた。

千夜

「ちょっとくらい、いいわよね・・・」

千夜はまたローブの中に潜りゆっくり俊也の左腕に抱きついた。

千夜

「・・・おやすみ。」

千夜は俊也がうまく寝返りをうちこちらを向いたので驚いた。

が寝ている事に気付くと。

チュッ。

千夜は俊也のおでこにキスをした。

ありがとね、俊也・・・

千夜はまた眠りについた。

第85話へつづく

ご褒美

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