異世界部と彼の残念な年
青春は歌われるもの。
…ではなかった?!
哀しい主人公系拒絶ラブコメディ、開幕!
1話:プロローグとかそういうんじゃなくて悲哀(恋哀)
「私と、別れてください。」
高校生活の第一歩は、遠距離恋愛の喪失から始まった。
で、入学式なんか聞いてる場合はなく、昨日寝なかったストレスを解消すべく寝ていた()。
というわけで、HR中。
「…暮。おい日暮。聞いてるのか。早く自己紹介をしろ。」
そういわれて俺は席を立つ。
「日暮 颯弥 (ひぐれ そうや)だ。趣味は読書。よろしく。」
…と、まぁ。単純明快で実に素晴らしい自己紹介(?)をして席に戻る。
ところで、さっきのお話なのだが、きっと皆様の半分はここを見て帰っただろう。
うん。3日目である。付き合ってから。
1つほど年下で、本人曰くちっちゃいらしいが、あったことないから知らん。
ただ、「横田 あおい」という名前だということは知っている。
ネットで知り合ってすぐ意気投合し、交際を始めた。(相手から言われた。)
そして審判の日、3日目。別れてくれと言われた。
理由?元カレをあきらめられなかったそうな。
…身勝手だろ。そりゃ。
そして彼女のスマホから放たれた言葉は「話はしてほしい」だの、「あなたに心揺さぶられたのは真実」
だのと、悪いのは俺か?身勝手かよ、まったくよぉ。
というわけで、悲しみに満ちているのだが、ここで俺は、現実逃避に他人の自己紹介を聞くことにした。
「私は、相馬 花音 (そうま かのん)っていいます。趣味は読書ですが、話題降ってくれたらなんでも答えます。一年間、よろしくお願いします。」
ええ。なにこれ。横の席の人じゃん。ええ。趣味以外が全く逆の人間だ。
というかだな、俺は今のネガティ文をたった机一列分で考え切ったのか。おう。すげえな俺。
「ねえねえ、日暮くんだっけ。趣味、読書なんでしょ?よろしくねっ」
と、お声がかかった。朝からいいフラグだが、あいにく俺は女子という身勝手な生物が嫌いだ。
いや、昨日嫌いになった。
「よろしく」
気も心ものっていない声で、俺は答えるのだった。
こんなのですいません。
ちゃんと来週までには次話だします。
異世界部の登場、お楽しみに。
ご愛読ありがとうございます。 クライン=スカーレット