表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あなたへ...2015年11月

冬が来る

作者: あずま

冷たい雲が空を覆う

冷たい雨が土を濡らす


冬支度を始めて

ストーブを燃やす


ストーブの前は寒がりのあなたの指定席

黄色い座布団が

ぽっかりと置かれている


クローゼットにはあなたの紺色のコートが掛けられたまま

下駄箱にはあなたのブーツが置いてある

冬の制服は救急隊員の人に切り刻まれてもうないけれど

あなたのセーターもカーディガンもそこにある

あなたの手袋はリビングの引き出しの中

あなたの冬のパジャマも出してきた


みんな

みんな

変わりない


違うのは

あなたがいないこと


どんなに

あなたのなまえを呼んでも

白い箱に入った

あなたが答えることはない


暗い冬の雲の下

外をじっと見つめている


どこかにあなたの姿がないか

あなたがいないことは

間違いだったと

あなたが帰って来はしないか


じっとじっとみつめている


風の音がする

冬の風の音


あなたのいた春は遠くなってしまったのに

冬の景色の中


あなたを探して

外を見ている


聞こえてくるのは

風の音に似た

私の嗚咽





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 悲しい詩ですね……。 これは実際にあった詩なんでしょうか。切ないです。 もうあなたがいた春は戻って来ない……。
2015/11/08 23:10 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ