種族
本当は前話のあとがきに書きたかったことなのですが・・・
とうとうブックマークも100件になりました!
ちょうど30話でこの数に到達して嬉しい限りです。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
この辺からちょっと書き忘れてた設定とか無理やり盛り込んだりしてややこしいところがあるかもしれませんがご容赦ください<(_ _)>
これからも頑張って更新続けていくのでよろしくお願いします!!
「言っておくが、お前が今考えてることは多分間違ってるからな。」
シャルムのセリフにビクッとなる。
「どうせ『俺が殺した奴らって・・・』とか思ってんだろ。違うからな。ちゃんとそういうの考えてんのは東にいる奴らだけだ。ヨールキ全体に広がってるやつらは別種だ。確かに魔獣という括りは同じだが、例えば人間とオークやゴブリンは違うだろ。あいつらだって括り的には亜人間、人間だ。」
「ちょっとまて。そんな奴らがいるのか?アポルに?」
そんなの初耳だ。確かにこんなRPGっぽい世界にそんな典型的なモンスターがいないのはおかしいと思った。でも誰も言ってないぞ、そんなのがいるなんて。
「いやいや、お前こそ何言ってんだよ。どこにでもいるだろそんなの。それを知らないなら、お前が知ってるこの世界に生きてる種族全部言ってみろよ。」
「人間だろ、魔人だろ、魔獣だろ、それからエルフとか精霊とか混血種とか。あと、ただの獣。」
とりあえず思いつくままに全部言ったら、オリは奇妙な目で俺を見、シャルムは頭を抱えた。
「お前今までどうやって生きてきたんだ?まあいい。それは後から聞けばいいか。確かにお前の言う通り大きく分けたらその3種とその辺だけどな。アポルで生きてるやつらの種類ってそんなもんじゃねえぞ?竜種とか、亜人系、魔物・・・。とにかくたくさんいるぞ。」
俺はそっち系をまったく調べていなかった事実に行き当たり後悔する。考えても見れば当たり前じゃないか。ここは異世界なんだ。
「まあ、それは今はどうでもいい。とにかく、あたしたちとその辺にいる魔獣はいろいろ違う。」
「いや、そんなのパッと見ただけじゃわかんねえだろ。」
「ソーマって戦うの好きはタイプか?」
「いや、襲ってこられたら躊躇なく殺すけど自分からはやらねえよ。第一そんなの面倒だ。」
「じゃあ大丈夫だ。大体普通にいる人を襲ってきたりとかすんのは亜獣だ。あたしたちだってそんなの面倒だって思ってんだよ。」
とりあえず、襲ってきたやつはなぎ倒していいんだな。
「んで、オリの集落襲ったのも多分亜獣だ。亜人かもしんねえけど。亜獣はヨールキ全土にいるように亜人だって全土にいるんだ。人間は亜獣からも亜人からも襲われることがあるだろ?魔獣だってそんな感じだ。括り的には人間の冒険者?が魔獣、ゴブリンとかの亜人が亜獣、普通の人間が獣、って感じだ。あ、人間は魔法使えないやつっていないんだっけ?だったら少し違うかもしんねえけど。」
俺は聞き覚えのある単語を聞き返す。
「冒険者?」
俺の言葉に驚いたらしい二人は顔を見合わせる。今度は口を開いたのはオリの方だった。
「冒険者って人間の職業かなんかのことだろ?人間のソーマが魔獣のオイラたちにそれを聞くのか?」
「知らないんだから仕方ない。」
俺の言葉にため息をついたシャルムが説明してくれる。
「あたしだって人間たちの立場の仕組みとか詳しくはわかんねえけど、人間の中で亜種、亜人とか亜獣の総称のことなんだが、と闘ったりとかクエスト?なんか人から来た依頼をこなしたりとか、そんな奴らを冒険者って言うらしい。職業的なやつの一種らしいぞ。で、冒険者としていろいろやったらランクみたいなのがつくらしい。それごとに出来ること出来ないことが決まってくるらしいな。で、旅に出る奴もいればそんな風に仕事に就く奴もいるし、職人みたいなことする奴もいるし、旅とかで獲ったものを売る商人みたいなやつもいるしって感じだな。冒険者も、人によって特化した部分があるらしくてそれによって色々また分かれてるみたいだし。戦士とか、魔術師とか。」
隣で俺と同じことを思ったのかオリが「人間っていろいろ複雑なんだな。」と呟いていた。
「シャルムはなんでそんなに人間のことに詳しいんだ?」
「ああ。あたしの父さんの友達が人間だったらしくてな。なんかの役に立つかもしれないからって教えてもらったんだ。あたしはその友達にはあったことないんだが。」
俺が一人納得していると、ニヤリと笑ったシャルムが言う。
「さあ。あたしたちのことは大概喋ったぞ。次はお前だ、ソーマ。」




