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転生(仮)  作者: 成宮レイ
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ヨールキ

ポエルから出た俺は、取りあえず北に向かって歩きはじめる。

このアポルとかいう世界は巨大な1つのドーナツ型の大陸と、その中央部分に点在するいくつかの小さな島で成り立っているようだ。そして、その大きな大陸がここ、ヨールキらしい。この大陸の端はどうなっているのかと気になったりもしたが、みなよくわからないと答えるばかりだった。中央部分は海のようになっていて海産物もとれるらしい。本当によくわからない世界だ。

そしてこのヨールキは、大体東西南北4つに分かれているらしい。主に南側に人間、西側には魔人が住んでいるらしい。東側には魔獣の住処が多いから人は住みにくいらしい。北は未知の世界だとか。精霊や竜人、エルフは北に住んでいるという人もいるが北に行く人なんてめったにいないし、珍しく行く人が居ても、その人をその後見かけた人はいないらしい。大体種族間の住む場所の間は、決して行き来ができないような断崖絶壁になっていたり、流れが急すぎる巨大な川が流れていたり、活火山があったりで、ほぼ完全に4つに分かれているようだ。おかげで種族ごとにほぼ完全に隔離されているらしい。

そして、なぜ俺が北を目指すのかというとそのヴェルドの森というのは、ヨールキの北側の一部を指す言葉らしいからだ。北の部分の中では一番海?側にある森のことらしい。だから、取りあえず北の方に進んで、海に出ようと思った。まあ陸の内側のある部分を海と呼ぶにはいささか抵抗もあるが、水はちゃんと塩水で波もあるらしい。海に一度出れば、その沿岸を歩いていけばそのうちヴェルドの森にたどり着けるだろうという安易な考えだが取りあえずはそれしかないという結論に至ったのだ。

考えなくてはならないことはたくさんある。バスの意味深な言葉の意味とか、ヴェルドの森にいる相棒とは誰のことなのかとか、そもそもそれを俺に教えたルナって子はなんなのかとか、俺はどうしてこんなところにいるのか、とか。でもそんなこと考えだしたらキリがないし、答えにたどり着くにはまだ持っている情報が少なすぎる。今の俺にできるのは、少ないピースをかき集めて出てきた答えを事実かどうか確かめることくらいだ。とにかく俺は動くしかないと思っている。今俺に与えられているものは少ない。それでもこの無駄にハイスペックな体を使えば大体のことはできる。だったら今ある情報が正しいのか一つずつ検証していこうじゃないか。俺には今のところやらなくてはならないことはない。だったら十分にある時間を駆使して旅をし続けよう。そうすればきっといつかは俺の疑問の答えは見つかる。

ってかそう思ってないとやりきれない。

不安がないわけじゃない。それでも俺はやるしかないんだ。


考え事をしながら歩いていた俺が馬鹿だった。

気づいたらよくわからない魔獣の群れのすぐ近くに来ていた。なんで俺周りに注意払わなかったんだろ。引き返そうかとも思ったが、ふと自分のローブの効果を思い出す。

《漆黒のローブ》

俺が身に着けていたそのローブは、闇の至宝と呼ばれるアイテムだったらしい。そのローブを纏っている者の気配をほぼゼロにまで抑え込むという優れもの。しかもちょっとやそっとの攻撃や魔法じゃ傷一つ付けられないし、下手な魔法を使うと反射してしまうらしい。しかも身につけている者の闇魔法の威力をあげてくれるとか。このローブを身につけて自分でも相手に察知されないように気配や魔力を抑え込めば、人の隣に立っても気づかれない。シェルリーの子たちに会いに行ったときに、誰も近づいた俺に気づかなかったのはそのせいだ。別に姿が見えなくなるわけではないのだが、感知されなくなるらしい。俺がいると思って見ればちゃんと見えるらしいからだ。ただ、何も知らずに俺の方を見ると不思議と見えない。

因みにこの知識はステータスから確認することができた。自分の持ち物の効果は分かる仕組みになっているらしい。


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