アール
そんなすごいアイテムだったのか。どんなものでも収納、取り出しが可能ってことは、逆に言えば自分が入れたものしか出すことができないのだろう。じゃあこの収納ポーチには、他にどんなものが入っているんだ?そして、このアイテムを入れたのは誰なんだ?そんなことを考えていると、リリスが更に言い重ねる。
「魔法アイテムって、めったに手に入らない代物なんだけど、噂によるとレベルが存在するらしいのよね。私も魔法アイテムって直に見たことはないからよくわからないんだけど、レベルが高いものほどその性能も凄まじいって聞いたわ。どんな魔法アイテムでも限界ってものは存在するけどレベルMAXにもなればできないことなんてほとんどないらしいわよ。まあMAXっていうレベルの存在も明確ではないけどね。」
なんだか俺の持っているアイテムは相当やばそうだ。するとクーがテケテケ歩いてやってくる。
「ソウ、遊ぼう。」
「なあ、クー。属性の闇と光って何なんだ?」
俺の言葉にクーは少し考え込んでから答える。
「簡単に言えば、闇は吸収・破壊で光は復元・癒しって感じかな。何かを壊したりするときに使うのが闇で、回復とかに使うのが光だよ。そういうのはアールが専門だから。」
「闇と光を同時に使える人間はいないんじゃなかったのか?」
その言葉に、少し難しそうな顔をするクー。口を開いたのはアールだった。
「だって僕は正確には純粋な人間じゃないから。クォーターっていうのかな?4分の1は魔人なんだ。」
その言葉に驚愕する。あれか。やっぱ種族違うと偏見とかそういうのあるから種族間の交流なんてないと思ってたが。結構あるものなのか。
「まあ、そのおかげでアールも両親もかなり苦労してたらしいけどね。」
暗い表情で語るケイル。
あ、やっぱりあったんだ。でも別に俺自身はどうでもいい。まず自分が何なのかさえあまりわかっていないのだから。そんなことより早く闇と光の魔法の使い方を教えてほしい。
「それはどうでもいいからさ、早く魔法の使い方教えてくれよ。」
俺の言葉に驚いた顔をするアール。
「ソーマは嫌じゃないの?僕、マガイモノだよ?災いを呼ぶってみんな敬遠するのに。」
「いや、お前が俺に直接魔法とかで攻撃してくるって言うなら話は別だがそうでもない限りは種族とかどうでもいいぞ?第一俺も自分が何なのかわからんし。お前は俺に何かする気があるのか?」
「そ、そんなことない。」
慌てて首を横に振るアール。それに笑って答える。
「じゃあいいじゃんか。俺たちは友達だ。」
その言葉に満面の笑みを浮かべるアール。弟が居たらこんな感じだったりしたのかもな。ケイルはなんかしっかりしてるし、クーは弟よりもペットとかに近い気がする。
「んで、闇・光の使い方教えてくれよ。」
アールは苦笑いしながら説明してくれる。
「基本はほかの属性魔法と一緒。魔力を体の一部に集めてイメージ通りに扱う。ただ違うのは闇・光は実体がないっていうこと。」
い、意味が分からない。




