表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

偶成

作者: 御手洗慶子

今の時期の空気の香りはガーベラの香りがする。

それはわたしがガーベラに特別な思いを持っているから、しかも今の時期のガーベラに特別な思いを持っているから、なだけなのかもしれない。わたしの記憶を鼻孔からつんざく。

会社からの帰り道、陽も暮れかかった夕暮れの今、わたしはデスクワークの疲れを心地よく感じながら、いつもの並木通りを歩く。

青々と生い茂った木々が、わたしの心を揺らす。

ガーベラは、過去だ。ガーベラの香りなんて気のせいだ。わたしはいつまで過去にしがみつかれているんだ?ガーベラなんてどこにもない。あるのは青臭い並木通りの木々の臭い、車道を走る車の臭い、通りすがる人々の体臭、これが現在で全てだ。

わたしはダッシュで並木通りをかけ走り、アパートの三階のわたしの部屋まで息をきらしながらたどり着いた。

ポストにはガーベラが刺さっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ