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六機目 アルマ・クライン

 時は戻りほんのちょっと前。


「エネルギー無くなった・・・・・・」

「はい?」


 俺はキュアノスの言葉につい聞き返した。

 

「正規起動状態を維持できるだけのエネルギーが無くなった」

「つまり・・・?」

「動けない。少なくともあと2時間は」


 ようするにさっきの盗賊を殺すために使った水刺弾のエネルギーで貯蓄されていたエネルギーが全部無くなったってことか?


「待機起動状態にしておくことはできる。ステルスも維持できる。だけどその分チャージに時間がかかる」

「まあ、仕方ないか・・・」


 考えてもみたら俺がこの世界にきてからほとんど休む暇なしに動いてたからな。

 むしろエネルギー切れ起こさなかったのがすごいよ。

 

「・・・とりあえず降りてさっきの獣人の子に会いに行こうか」

「私は反対。まだ害虫の仲間がいるかもしれない」

「だがじっとしてるのも、もったいないだろう?それに俺はこの国をもらいにきたんだ挨拶はしないとな」

「・・・頑固」

「よく言われた」


 とういうよりも獣人の女の子に会いたいのが80%ぐらいあるんだけどな!!

 だって獣人だぞ?ケモミミだぞ?見てみたいし触ってみたいじゃないか!?


「・・・変態」

「あれ?声に出てた?」


 すんごい不機嫌そうに頷くキュアノス。

 

「ま、まあとりあえず行こうか」

「・・・・・」


 無言で俺を見るのだけはやめてっ!!

 そんな馬鹿なことをしながら二人はユニヴェールから降りようとする。

 目の前のモニターが横に移動し始め。外の光が入りこむように目の前のミニターがあった場所がゆっくりと開いていく。

 空気が澄んでいる。外の荒野とは大違いだ。

 と言っても落下している時しか荒野の空気なんて吸ってないんですけどね。ははは!


「それでここから降りるにどうしたらいいんだ?」


 俺とキュアノスがいるのはちょうど腰より上の辺りの高さにあるパイロット席から外をのぞいた。

 

「右上の所にワイヤーがあるからそれを引っ張って足を乗っけながら降りていく」

「わかります。ガンダ○ですね」

「・・・・・早く降りる」


 呆れたように言われ。背中を押される。


「わ、わかったから押すな!」


 俺はキュアノスに言われた通りにして降りていった。

 キュルキュルと鳴りながら地面へとワイヤーが降りていく。


「っと。おーい次はキュア・・・」

「ん。何?」

「どわっ!?どうやっていつ降りたんだ!?」

「あそこから跳んで着地しただけ」


 そういえば半人半機でしたね・・・

 てかなんでもありか半人半機。

 そう思いながら俺はさっきまで乗っていた機体を見る。


「やっぱでかいな・・・」


 全体の色は銀色、ただ間接部分は黒い。

 形は・・・アーマー○コアに近いか?

 頭部は・・・これまたわかってるな。

 目がないというかバイザーみたいなのに覆われていて見えない。

 だがロボット独特の雰囲気のある顔だ。


「ん?てかステルス状態なのに見えてる?」

「あたりまえ。私達が見えなかったらユニヴェールに乗れない」

「そりゃそうか」


 自分で隠しておいて見つかりませんとか馬鹿だもんな。


「早く向かう。さっきの害虫がまた来るかもしれない」

「あいよ」


 こうして俺たちは襲われていた獣人の女の子に会いに行くのだった。

 そして、広場みたいな所に着いたのだが・・・


「あの子、普通に死体検分してないか?」

「ん。してる。しかも冷静」

「意外と掘り出し物かもな」

「同意する」


 俺たちは広場へと来た瞬間獣人の女の子が死んだ盗賊達の死に方を冷静に分析しているところにでくわした。


「とりあえず話しかけてみるか・・・」


 そう言いながら俺は尋ねるように聞いた。


「あー・・・そろそろいいか?」

「誰!?」


 おう・・・やっぱり気が強そうだな。

 にしてもやっぱりいいものだ。

 ネコのケモミミいい。実に触ってみたい。


「・・・デレデレしない」

「いでででで!!」


 思考が読まれたように後ろから尻をつねられた。

 というかマジで痛いっす!万力に挟まれているんじゃないかと勘違いするほど痛いっす!!キュアノスさん!!


「あなた達は・・・?」

「あー・・・俺の名前は黒守巡。こっちは・・・」

「キュアノス」

「クロモリジュン?変な名前ね」

「・・・大体予想していたけどやっぱり変な名前扱いなのな」


 やっぱり日本人の名前って変な扱いされるのが普通なのだろうか・・・

 俺は少し肩を落とした。


「ああ。ごめんなさい。別にそういうつもりで言ったのではないの」


 ちょっと焦ったように彼女は言ってきた。

 そう言えば名前聞いてなかったな。

 ユニヴェールの中で聞いた気がするが結構一杯一杯だったので覚えてない。


「それで君は?」

「ああ。私だけ自己紹介してないわね。私はアルマ・クライン獣人族よ」

「やっぱりか・・・」


 まあ、ケモミミある段階で獣人族だよね。うん。


「あなた達何者?」


 そんな風に怪しい人を見るような目で見ながら聞いてきた。


「えーとだな・・・」

「何か言いづらいことでも?」

「いや・・・」


 そういわけではないんだが・・・

 まあ、言ってしまっても遅かれ早かれか。


「なら聞かせてもらえる?」


 ちょうど頭の中で結果が出たタイミングでアルマさん?が聞いてきた。


「・・・ただ、この国をもらいに来た」

「はあ!!?」


 そして現在に至る。



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