二機目 異世界
「ふむ・・・さすがに落ち着いてきたな」
あれから5分ぐらい落ち続けているせいか、さすがに冷静になってきた。
それにしてもここはMOWの中なのか?
とりあえずメニュー画面を開いてみればわかるか・・・
「メニュー表示」
そう一言呟くとメユー画面が目の前に現れた。ただ・・・
「ログアウトや環境設定が無いか・・・」
そう、メニューの項目にその二つが無いのだ。
ただ他のスキルやらステータスなどの項目は存在していた。
「何かに巻き込まれた可能性が高いなこれは」
考えても仕方ないか現在、俺は落下中。
なら、やれることをやっていこうか。
「とりあえずスキルからやっていくか」
スキルこれは主に2つある。
ひとつはプレイヤースキル、操縦技術や集中などのプレイヤーに力を及ぼすスキルだ。
そしてもう1つは機体スキル、これはプレイヤーなら誰でも最初から持っているコアクリスアルに覚えさせる。
ただこのコアクリスタルには本人を確認するためにパーソナルデータを読み込み記録する。
これにより個人の特定が可能になる。
もちろんこれはPKによる強奪防止のためだ。
それとスキルは例外なく全てパッシブだ。
「プレイヤースキルはどれにしとくか・・・」
操作技術、射撃技術、格闘技術、集中、精神統一など色々あるが・・・
「お、これはいいんじゃないか?」
幸運LV1
一定の確立で敵と認識したものから上位武器または上位素材のドロップ率UP。
また、故障や破壊による機体の損傷を一定確立で防ぐ。
「とりあえずこれにしとけばなんとかなるだろう。それと機体スキルだが・・・」
これまた多いな・・・
何々、エネルギー回復、装甲値上昇、消耗度減少、耐熱、耐寒・・・
「ん?これは・・・」
弾薬自動回復LV1
1分ごとに武器に装填されている弾薬またはエネルギー弾を5%回復する。
「よし!これに決めた」
ちなみにだがβテストでは弾薬などは無料で配給されるため、このスキルをとる者は少ないというか全くいないと言われているのは本人は知らないのであった。
「スキル決定っと」
そう呟きスキルを決めた瞬間、周りが白く光った。
「うお!まぶし!?」
とっさに目を閉じてそう言ったのまでは良かったのだが。
次の瞬間、体が風に打ち付けられている感じがした。
おそるおそる目を開けてみると・・・
「空の上ってアリかあああああああああああああああああ!!?」
雲の上から落下していた・・・
どうすればいい!?はっきり言って今は何も持って無い。
つまりどうしよもないのだ。
『マス・・・』
ん?今なにか聞こえたような?
『マスター』
気のせいじゃない!確かに聞こえた!
『マスター、コアクリスタルを使い。同調と言ってください』
それにしてもどこから・・・?
いや、気にしてる暇は無い俺は現在空中から地上に向けて落下中だ。
どうせなら騙されてでも!
「同調!!」
そう言った瞬間、周りは再び光に包まれ、俺は眩しくて目を閉じた。
『マスター、もう大丈夫ですよ』
さっきの声がさっきよりも近くに聞こえおそるおそる目を開けた。
目の前にはモニターがあり、どうやら俺はいつのまにか座ってる体勢にになっていた。
「ここは?」
『私のコックピットです』
コックピット?自分の周りを確認してみると機体状態を確認するモニター、腕を動かす際に必要なグリップなど色々あった。
何故そんなことがわかるのかと問われれば、知っているからとしか言いようがない。
MOWにでてくる機体のコックピットと全く同じだからである。
ふむ、機体全体はまだ目で見てないからわからないがどうやら人型みたいだ。
『マスター思考中に申し訳ありませんが』
「ん?ていうかいまさらだがマスターって?」
『それは後ほど説明いたしますので』
「わかった。それで?」
『コアクリスタルを目の前の穴に早く入れてももらわなければこのまま地面に衝突してしまいます』
そういえば俺落下中にこの中にいたな・・・
「って大変じゃねえかああああああああああああああ!?」
『ご理解してくださった所でお早めにお願いします』
うおっと!そうだった。
えーとこの穴か?
そう思いながら手元にあるコアクリスタルを穴の中に押し込む。
『コアクリスタルを確認。これより当機は待機起動状態から正規起動状態になります』
お、おう?たぶん起動したのか?
ここらは辺の起動の仕方はMOWとはだいぶ違っているな。
MOWはコアクリスタルをモニターに読み込ませるからな。
『これより特殊型兵装 複合翼〔虹の翼〕を起動します』
複合翼?これもMOWでは無いな・・・というかまだ実装していないだけか?
というかここってまさかだと思うが・・・
『正常動作を確認これより当機は着陸します』
え?まじで?今、反動も一切なかったんだが・・・
俺が動揺している間に着陸していたようだ。
一切の反動が無いって・・・ありえなくないか?
だってそうだろう?普通なら体が押し付けられたり急ブレーキをかけたときみたいに体が仰け反ったりするはずだ。
『マスター、無事に着陸いたしました』
おっと、今はそれよりもだ。
「それで?色々と説明してくれるんだよな?」
『はい。まず私がマスターをマスターと呼ぶ理由から説明いたしましょう』
「頼む。はっきり言って何がどうなってるのかさっぱりだ」
『私がマスターをマスターと呼ぶのは決められていたことだからです』
いや、さすがにそれだけでは意味がわからないんだが・・・
『私はMOWという仮想ゲームを元にして作られました』
「待て待て、元にして作られた?」
『はい。私はマスターのいる世界、つまりこの世界とは別の世界から来た人によって作られました』
なんとなくわかっていたが。やっぱりここはゲームの世界では無いんだな・・・
だけどなんでメニュー画面がでるんだ?
まあ、それよりも今は説明を聞くか。
『マスターが生きていた年代、20××年から400年後の人・・・博士が私を作りました』
「ちょいと待て。俺が生きてた年から400年後の人ってどいうことだ?」
普通に考えたらなんで400年後の人が俺よりこの世界の過去にいるんだ?
『博士は時間の歪みのせいだと言っていましたが、それ以上のことはわかりません』
歪みねえ・・・
「その博士も俺と同じで巻き込まれたのか?」
『博士はそのように言っていました』
つまりMOWは400年後まで存在していて、俺とは違いゲームをプレイしていたら途中で巻き込まれた。
だが、ゲーム内で覚えた技術を生かしこいつを作ったって所か?
「ん?なんで俺が現れることをお前は知っていたんだ?」
『博士です。博士はMOWのことが好きでMOWに関する情報は全て知っていたのです』
おう・・・400年の情報を全て暗記とか怖っ!
『その情報の中からマスターが消息不明になった。βテスターの情報を覚えていたということです』
博士という人物は俺が過去このゲームで消息不明になったことを知っていた。
それと同じ状況に陥った博士はその情報と自分が全く同じ状況だということに気づいた。
「・・・?何で博士は400年よりも前だと気づいた?そもそも何故俺がこの世界に現れる時期を知っていた?」
『マスターがいた世界の年代ではわかりませんが、博士がいたマスターの400年後の世界では年数を測れる機械を作れるようでした』
ああ、なるほどその機械を作り、それを使って年代を調べ、俺がいなくなった年代から自分がいた年代の差を計算し調べたってことか。
あれ?その博士って俺たちの世界で言う天才じゃないか?
『申し訳ありませんがマスター、そろそろ私は限界なのです』
「どういうことだ?」
『私はマスターがこの世界に来るまでの間、この機体ユニヴェールの管理が私の仕事だったのです』
400年間この機体を守るためだけに作られたAIか・・・
『そしてマスターが現れ、私の仕事は終わりました。なので後はその子にまかせます』
「その子?」
『はい、後ろをご覧ください』
俺は言われたとおりに俺が座ってるコックピットの席から後ろを見る。
「!?」
そこにあったのはもうひとつのコックピットの席と全裸待機で目を閉じて眠っている用に見える幼女だった・・・
大体一週間後ぐらいを目安に書いていますが
結構投稿する日はばらばらな作者です。