プロローグ 始まり
「なあ巡これやってみないか?」
折角の思いであのパン争奪戦争から帰ってきて食べようと思っていた所へ、いきなりそんなことを言ってきた友人、益田新途。
「飯食いながらでいいか?」
「おう、いいぞ」
いただきますといいながら飯を食い始め、新途の話を聞く。
「確か巡ってロボット系のゲーム好きだったよな?」
「もひろんふきふぁが(もちろんすきだが)?」
「そこでだ!このゲームやってみないか?」
小学一年から高校二年までほとんど同じクラスであったせいか俺が適当に口に含みながら喋っても新途は理解してくれるので助かる。
「ゴクンッ。ゲーム?」
とりあえず戦利品はほとんど食い終わった。
後は帰りにでも食べようと思い、バックの中にしまいつつ新途の話を聞く。
「そうだ。このVRMMOアクションゲーム・・・MOWを!」
MOW、日本語でマシンオブウォー。
まだ正式サービスもβテストも終わってないゲームだったはずだが・・・
「なんで新途がそれを持っているんだ?」
「おいおい忘れたのか?俺の親父はグラフィックデザインが仕事だぜ?」
なるほど。つまり新途の親父さんが仕事でそのゲームのグラフィックデザインを頼まれてそのかわりβテストの参加権を手に入れたってことか。
「確かそのβテストに応募したんだが落ちたんだよな・・・」
ロボット系のゲームが好きな俺はこのゲーム出ると聞き即座に応募した。
だが、抽選から落ちてしまった。
ニュースでもやっていたが応募人数は日本だけで1000万を超えたらしい。
とりあえず日本からの回線しかできないと運営は言い。外国人からは非難が殺到したそうだ。
まあ実際日本だけでもこれだけの人数が応募しているんだから。
外国人に空けるスペースなど無いのだろう。
「確かβテストの人数は10万人だっけか?」
「だからそれをあまり他のやつに見せない方がいい。何人かはこっちを見てるやつがいるぞ」
「ああ、それは大丈夫だ。これはパッケージだけだから。
本体とソフトは親父の会社にあるから平気だぜ」
・・・おい、今教室の端の方で舌打ちが聞こえたぞ。
「で?やるのか?」
そんなのもちろん返す言葉は決まってる。
「やるに決まってるだろ?」
「だよな。じゃあ詳しいことは放課後な次の授業始まっちまうからな」
おっともうそんな時間か。
まあいいこれで放課後が楽しみになった。
「説明書あったよな?新途。それ貸してくれ」
「まあそう言うと思ったから用意はしておいた」
これで次の古典の間に操作を全部覚えれる。
キーンコーンカーンコーン。
「授業を始めます」
古典の教師はいい歳のじいさんだ。授業中に他のことしていてもばれないからな。
「(えーと何々?頭部にマシンギアをつけアウェイクンと言えば起動するのか。
起動したあとゲームに入りますか?とでるから『入る』と言うとゲーム開始か。
キャラは自分の思うがままに設定可能とまあ容姿はそのままでいいか。
次はとマシン選択か。マシンタイプは『人型』『戦車型』『獣型』の三つか。
ん?装備を集めると変形機構までつくのか。だったら最初は『人型』が妥当か・・・)」
「えーここは漢文なのでここをこうすることによって・・・」
先生が何か言っているが全く耳に入ってこない。
この集中力を何故勉強に生かせないのだろうかと他の教室にいる生徒は巡を見て思った。
そんなことを知らずに当人は・・・
ふふふ・・・さすがロボットゲームわかってるな。
と思い、不気味な微笑みをしながら授業を受けている巡なのだった。
こうしてMOWのことを考えているうちにすぐに放課後になった。
「おーし巡帰るぞー」
おうと言い。教室から出た後、新途と一緒に学校から出て行く。
「それでだ。お前の家には郵便で送るけどいいよな?」
「もちろんだ。楽しみにして待っている」
「βテストは今週末からだから。親父に連絡しといたから明日には届くと思うぜ」
やばいな今週の授業は全く頭に入ってこなさそうだ。
初の投稿にになります。
ゆっくりと投稿していきますが
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