判明した名前。
ここにきて、やっと全員が誰か判明した。
まず、殺されたのは、ここの主の竹田半蔵(58)。
”TAKEDA.Co”の社長。いわゆる融資会社。
執事に奥様と呼ばれていたのは、やはり夫人の美恵子(46)。
趣味が高じて、ピアノ教室を開いている。
その隣に座る良く似た顔の娘、美音(23)。
現在、音大に在学。三月で卒業したら海外へ留学が決まっている。
一人用ソファーのキツネ目男は、息子の黎(20)。
某大学に在学。
あまり素行がいいように見えない。
もう一つの一人用ソファーに座った女性は、社長秘書の結城沙紀子(28)。
切れ長の目に、泣きぼくろ付の美人。
ホールで執事に詰め寄ってたのは、黎と沙紀子だ。
そして、執事の高槻寿彦(67)。
デカ男は、印南隆之(29)。
彼は、この家のなんでも屋で、雑用全般をこなしている。
そして、現在病気で寝ている執事の奥さん、多恵(63)。
彼らからは、後ほど一人ひとりに話を聞くと言い置いて、まずは現場を再確認するために二階へ上がる。
「キイチさん。あの中にいるんですか?犯人。」
何か閃きました??ねね。何か・・・痛いです。殴らないで下さいって。
「アホか。紹介されただけで解ったら、苦労はしねぇよ。」
めんどくせぇな。
・・・もっと、ビシッっとやっちゃって下さいよ。
そうなのだ。キイチさんは、出来る人なのに・・・やる気が全くない。
口癖は、メンドクサイ。
やる気出して下さいよ!!
僕をカッコイイ探偵助手にして下さい!!!
そんな事を思っていると、現場の前に着いた。
キイチさんは、部屋中をぐるりと見回してから、被害者に近づく。
・・う。
やっぱり、死体は怖いです。
キイチさんはというと、マジマジと被害者を観察している。
勿論、白い手袋を嵌めるのも忘れていない。
右手の人差指を軽く曲げて唇に当てるのは、キイチさんが考えてる時によくやっている。
「この頭部の傷以外には、特に外傷はなさそうだな。」
色々と角度を変えながら、観察したのだろう。
「だいぶ陥没してるな。」
今度は、被害者に顔を近づけて・・・。
「なななな・・なにしてるんですか!?キイチさん」
僕は、慌ててキイチさんの腕をひっぱった。
「ドアホ。ニオイを確かめたんだよ。」
ニオイのある毒も結構あるからな。念のため。
・・・ですよね。僕は、判ってましたよ。
なんせ、助手ですから!!
は。助手らしい事しないと!!
僕も小さな事も見逃すまいと、部屋の観察を始めた。




