集合した応接室。
デカ男は、三人が話している方へは行かず、玄関の扉を開いた。
階段近くにいた僕たちには、会話が漏れ聞こえてきた。
「・・・助かりました。・・すいません、取りに来てもらって。」
デカ男が頭をさげると、年配の恰幅のいいおじさんは、首を振りながら笑った。
「・・いやいや。・・手伝って・・・るから。」
その後、不審そうに中を覗こうとするが、その前にデカ男が促して返してしまった。
あのおじさん、遭難しても見つけやすそうだったなぁ。
雪の山に今度来るときには、あれくらい派手なジャンバー着よう!!
と、僕は横道にそれた事を思っていた。
僕とキイチさんも応接間に通されて、現在、重い空気に支配されている。
現在、主人と病気で寝ている執事の奥さんの二人を除いて、他のこの屋敷滞在者が全員この場にいた。
「どういうことなの?高槻。」
高槻さんを責める様に言ったのは、年齢的にここの主の夫人だろう。
身体全体が丸みを帯びて、目尻に皺が少しあるが、綺麗といえる。
その隣には、似た顔つきのやや痩せ気味の若い女性。
「・・・奥様。」
執事は、僕たちの訪問からここに至るまでの過程を、全員に聞こえる様に説明した。
ちょと、歯切れ悪くというか、つっかえながらだけど。
「それで?警察は、いつ頃着くのかしら?」
・・・なんか、悲しんでいる風にも感じないんですけど。
その質問に、執事は更に困った顔になった。
「それが・・・、ここに来る途中の道で、雪崩が起こったそうです。
・・・到着には、明日になってしまうと・・・。」
「!!なんですって!!」
冗談じゃない!
彼らは、それぞれに喚き始めてしまった。
なので、ここは。
「こんな時は!ほら、キイチさん。出番ですよ!!」
勢いよく胸を張って宣言する。
「実はこの人、こんなんですが、探偵なんです!!
僕は助手の条島要といいます!!」
言ってやった。言いきった。
鼻息荒く、周りを見渡すと・・・。
あれ、ちょっと皆さん引き気味ですね。なんでしょう。
・・って、キイチさんまで白い目で。ううう。
「・・・探偵?」
ボソリと言ったのは、ガタイのいい先程キイチさんと睨み合ってた男性だ。
「はあ、まぁ。」
キイチさんは、歯切れ悪く返答する。
「俺は、犯人じゃないぜ。こいつらのどれかだろ。」
一人用のソファーに踏ん反り帰るように座った、キツネ目の男が言った。




