雪が降ったのは。
「あああ、でも、密室がわかりません。出られません。逃げられません。」
僕は降参です。さっぱりわかりません。
「ああ、逃走経路はまぁ、あそこしかねぇだろ・・・。
しかし、なんだ、あんなに綺麗に隠せるもんかね・・・。」
キイチさんは、再び指を唇に当てながら考える。
「ええっ。わかったんですか!?!?」
キイチさんに詰め寄るが、スルー・・・。
キイチさん、さみしいです。
僕は淋しくなって、窓に掛かるカーテンを摘まんで上げて、窓の外に目を向けた。
「ああ、また雪が降ってきちゃいました。降ったり止んだり降ったり止んだりですね。」
警察の人、明日これるんですかねぇ。ぶつぶつ・・。
「あ?バスに乗る時に止んでから、今降っただけじゃねか。」
ぶつぶつ言ってたのは、拾ってくれるんですね。
「え、ここに着いた時に、雪降ってきましたよね?」
「なんだと?」
キイチさんは、すごい勢いで僕の肩を掴んだ。
「痛いですよ。また降ってきたんだ~って思ったんですから。ライオンさんと睨めっこするちょっと前に。」
・・・・そうか。
と、僕の肩から手を外すと右の人差指を唇に当てた。
キイチさんは急に立ち上がり部屋を出ると、書斎に入ってベランダ出入り口の窓を開け、屈み込んで手前の雪をじーっと見つめたのだった。
それから、全員を集める様に高槻さんに言うと、応接室で集まるのを待つ事となった。
「キイチさん?皆さん集めてどうするんですか?」
キイチさんは、まあ、集まってからな。とだけ言って沈黙してしまう。




