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No,33:嫌悪感増大

頭痛いねぇ(-Д-川)


あの花終わってしまったねぇ゜・。(。/□\。)。・

体育館から出て月乃を探すことに決めた俺、蓮、生徒会長さんの三人は団体行動で慎重に探すという作戦ではなく、あえて三人バラバラに別れて速攻で探すといった短期決戦型の作戦をとった。

理由は三つ。

1、テロリストに見つかった場合、固まって行動していた時に全滅する可能性がある。

2、時間がかかればかかるほどテロリストとの接触の可能性が上がる。

3、一人の方が動きやすく、機転をきかせられる。

以上だ。

このような作戦を考えた生徒会長は、やはり何と言うかいつも通りに堂々としていた。

というより、この作戦は『探す』がメインではなく『連れ戻す』ということにおいて重点を置いていると思う。それは酉種が言う目撃情報から感じ取ったことだ。 蓮も会長さんもそれは分かっていることなのだろう。 なんせ、放送がかかった時にはすでに教室に居なかったのだ。 とっくに職員室に着いているはずだし、テロリストとも接触しているだろう。

だから連れ戻す、といった表現がこの状況には適しているのだ。

「先生方が言っていたが、どうやら若い教職員を連れて職員室まで偵察しに行くようだよ」

「そんな危険なことを………?」

「危険って、桜参くん。 私たちも同じようなことをしようとしているんだよ? いや、たぶんそれよりもレベルの高いことをしようとしている……。 言っている意味、分かるよね?」

「あ……」

つまりは。

この状況下において大人も子供も関係なく、それでいて銃を持っている自分たちはアドバンテージがあるとは思ってはいけないのだ。 度重なる事件のせいで感覚がマヒしているのか、自分が今から行うことに違和感を覚えないでいる。それはとても恐ろしいことだろう。 だから、会長さんはそれを伝えようとしたのだろう。

そして、先生方とは別行動となる。

「じゃ、先生たちよりも先に出るよ。 武運を祈るよ二人とも」

突っ込み所を残しつつ会長さんは体育館から出ていった。 蓮は笑顔を浮かべながら会長さんを見送っていたが、しばらくすると真剣な顔つきになり、俺も行くよと体育館から出ていった。

「あ、あの………」

か細い声が後方から聞こえてきた。振り向くとそこには酉種風見の姿があった。

「どうした?」

「き、気をつけて下さいね……。 そして、無事に帰ってきてくださいっ。 ……友との約束です」

その言葉に自分の顔がゆるんでいくのが分かった。 そして同じように言葉を返す。

「ああ、約束だ」


一瞬で戦場と化した校舎に向かって足を進めた。





正直、恐れが無いかと聞かれたら即答できる自信は無かった。

それでも足を動かして、慎重かつ迅速に行動することが大切だった。

思えば、これは自分の姉による影響かもしれないと思った。 昔から姉の真似をし、背中を追っていた自分はそれなりに同じような道をたどった。 しかし、道中の微々たる部分は超えられない、クリアできなかった。たどってきた道が同じでも、一つ一つをとって見てみると差というものが見えてくる。

その部分が、自分を少しずつ不安定にしてきた。しかし、その分努力するきっかけとなった。自分は結局どうなりたかったのか。 姉の分身? そう考えたころもあったかもしれない。 でも今は違った。

姉とは別系統の人間であり、互いを補う要素となること。それが目標になっていた。

そもそも、人と言うものは交われないし同一化することも出来ない。それならば、『個人』を伸ばし極めるしかない。 それが極められた時、模倣よりも価値のあるものになり得ると信じている。

今回のこの行動を提案したのも、姉が外で何かしらの準備をしているであろうという予想をもってのことだ。だから、それまでに面倒事や危険分子は取り除けるだけ出来る範囲でクリアしていく。

今現在の課題はこれだ。

鵜川月乃が今どこに誰といるか。それがこの作戦の鍵になってくるのだ。

誰と、の部分が一番重要であり、テロリスト集団となのかテロリスト何人かとなのか一人でなのか。

もちろん、一人であることが一番いいに決まっている。 アクションをそこで起こす必要はない。

ただ、可能性は低い。

だから──────────。

ドッドドド、と大人数が階段を駆け上がる音が眞守の耳に届いた。

廊下の曲がり角に身を隠し、その様子を窺う。 どうやらその集団は先生方だったようで、テロリストではなかった。

しかし。

「おい、お前!」

一人の若い男教師が声を上げた。その目線の先には薄い赤のかかった髪をした少女がいた。この場には似つかわしくない胸元にフリルをあしらったワンピースに身を包んだ少女だった。

そしてもう一つ、不自然な場所があった。

右手。彼女の右手にはその容姿と服装には交わりのない不格好な拳銃が握られていた。

「て、テロリストだっ!」

男性教師は摺り足で後退し、少女から離れた。 しかし、それに対して少女の対応は全くおかしなものだった。

怯え。 一言で表すならそうのような表現が適切だろう。

男性教師を見て、声を聞いた瞬間だった。いや、男性教師の張り上げた声を聞いた瞬間だったか。

華奢な肩をガクガクと震わせて、目に少しの涙を滲ませていた。

おかしい、と眞守は思った。 テロリストに間違いはない、しかし演技にも見えない。

本当に怯えている?

おなじようなことを考えたのか、若い男教師が2,3人前へ出た。

「その右手にあるものを捨ててこっちへ来るんだ。 悪いようにはしない、その前に君はテロリストなのかい?」

そう問いかけるが、少女は震えたまま動こうとしない。あの震えでは銃を発砲したとしても、到底弾丸が当たることはないだろう。それを確信したのか、男性教師は声音を緩めて。

「脅されているのか? 大丈夫だよ、君が何かを理由に脅されて仲間にされているのであれば、僕たちは危害を加えない。それに保護だってしてあげる。だがら、ほら」

一歩歩み寄る。しかし少女はその行動に対して一歩後ろに後ずさり、首を振る。

狂ったかのように首を左右に振る。髪が乱れるのも気にせずに、視界がぶれることも気にせずに。

胸元を押え、気持ち悪さを押しとどめるように歯を食いしばっていた。

名嶋なじま先生。 あの子大丈夫なんですか? 何とも言えないんですけど体育館に連れていった方がいいんじゃないでしょうか。 あんな子に拳銃を持たせるテロリストなんてどうかしてますよ。 脅されているようにしか私は見えないんですよ」

少女に向かって話しかけていた先生とは別の男性教師がそういった。

「ですが平見ひらみ先生。 錯乱しているようですし、不用意に近づいたら我々が撃たれかねないでしょう。 それに、彼女自身が自分を撃つという可能性も……」

「では、どうすれば……」

男性教師達が話し合っている間も少女は首を振り、徐々に後退していく。

そんなときに声が聞こえた。彼女のものだ。

「………ぃ。 ぃ……だ。 き………わ……」

すでに眞守の位置からは彼女は見えないが、声だけは聞き取れる。 だからだろうか。姿が見えていないからだろうか。 その言葉は、


呪うかのようなドロドロとしたものだった。


そんなことに気付きもしない男性教師は彼女に近づいていく。

大丈夫だから、 何もしないから、 と声をかけながら徐々に、徐々に。

だが、そこで声が上がる。 それまでの弱々しい雰囲気を全て取っ払ったかのように暴力的で残虐性のある声色で。

「気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」


ギュルン、と目を見開いた少女は近づいてきた男に向かって発砲する。

何発か銃声が響き、叫び声が上がる。

「なん………、これ、血。ぐあぁぁっ!」

ひとり、ふたり、さんにん と悲鳴の数が増えていく。 そんなことには構わず少女は発砲を続ける。

たまらず眞守は廊下の角から姿を現し、拳銃を構える。

「やめなさい!」

虚を突かれた少女の行動は止まり、撃たれた教師たちは無事だった残った教師たちに保護された。

「錠越君、それは……」

「いいから先生方は行ってください。 ここは私が引き受けます」

「そんなことは無茶だ! 彼女はテロリストの一員だった。 今ここで分かっただろう! 危険すぎる!」

「では、先生方が何とかして下さるんですか? 武器を所持していない先生方が。 出来ることを最優先でやってください。 倒れた先生方の手当て、です」

「くっ……。10分だ。 先生は10分で戻ってくる。それまで…」

「引き受けますよ、学校内での出来事は生徒会長が治めないといけませんしね」

そういうと先生方は苦い顔をしながら去っていった。

床にはいくらか鮮血が飛び散っており、学校内の治安は最悪だった。

これはやはり、生徒会長の仕事だろう。

「こんにちは、テロリストさん。 さっきの放送はあなたのものよね。無断で放送するのって禁止されているの、まずは私に許可を取らないとね」

と、そんな眞守の言葉に少女……いや、先ほどは遠くから見ていたから分からなかったが、同年代のようだ、彼女はいつもの調子を取り戻したかのように言葉を返してきた。

「そんなものは知らないわ。 そんなことより私は逃げた録武ナナを追う途中だったの、邪魔するなら殺すわ」

それに対して。


「そう、 そっちがその気なら私も本気になっていいのよ・・・・・・・・・・


彼女たちは交差する。













最近、この小説の方向性を見失いそうだw

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