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33それにしてもサタリ。只物じゃない(最終話)

今回も応援ありがとうございました。何とか最終話こぎつけましたぁ。本当にありがとうございました。次回も頑張りますのでよろしくお願いします。はなまる


 サタリが耳元に口づけを落とし始めその唇はゆっくり首筋を伝う。

 焦ったように私のシャツのボタンを外して片方の手が胸の中に進んで行く。

 「‥ぁあん、サタリ‥もっと‥」

 「リネア、俺を煽ってるんです?もう我慢できなくなっても知りませんよ」

 息を荒げるサタリの瞳は私をじっと見つめる。

 「いいの。ずっとこんなふうにされたいって‥」

 「り、ね、あ‥」

 がばりとサタリが覆いかぶさる。彼の重みを受けてそれがすごくうれしいと感じる。

 彼の手が鎖骨の辺りを戸惑うように彷徨い、そしてその手が胸の中に伸ばされた。

 指先が胸の先に触れて身体がビクッと震えた。

 「‥いっ!」

 「お嬢さん!大丈夫ですか?」

 サタリが慌てて手を引っ込めるとシャツの隙間からさきほど剣先で強く疲れた場所が張れて赤くなっているのが見えた。

 「ああ、こんなに赤く腫れて‥すみません。俺、ついお嬢さんにあんな風に言われてその気になってしまいました。違うんです。あなたを心から欲しいと思ってます。でも、今じゃありません。さあ、もうゆっくり休みましょう」

 サタリは何もなかったかのように私のシャツを整えてベッドから離れた。



 私の脳内は混乱する。

 前世の記憶では男ってこんなになったら我慢できないんじゃなかった?こんな冷静に欲を抑えれるなんて‥もしかしてサタリは私に欲情しなかったんじゃ?

 何とも言えない不安が沸き上がる。


 「さ、サタリ。でも、あなたは辛くないの?」

 「辛いですよ。どれだけお嬢さんを欲しいと思ってるか‥」

 「私は平気よ。これくらい何でもないわ。だからお願い。私だって嬉しかった。あなたが私を求めてくれた事‥」

 私はサタリを誘うように手を伸ばす。


 サタリはその手をそっと握って優しく微笑んだ。

 「ええ、でも、やっぱりよしましょう。考えてみればここまで我慢したんです。結婚式が終わってその後結ばれる方がきっと感激も大きいはずです。だったら俺は今は我慢してその時を待った方がいいです。それにお嬢さんも身体、結構しんどいはずでしょう?だから‥」

 「ほんと?ほんとにサタリは私が欲しいって思ってる?」

 「‥おじょ、おさん?も、もしかしてもう男を知ってるんです?」

 サタリの顔が強張る。

 「そ、そんなわけ‥だってサタリは平気なんでしょう?」

 「そ、それはお嬢さんが辛いんじゃないかと‥」

 「今は私のことじゃなくてあなたの事よ!」

 どこまでも紳士を装うサタリにちょっとイライラしてしまう。



 「そんなに言うなら‥」

 サタリの手が私の手を握るとその手は一気に彼の股間に伸ばされた。

 ベルトの下。彼のズボンの布越しに激しく興奮した滾りに触れさせられる。

 「きゃっ!」

 ソレが何かは乙女でも知っている。彼のソレが激しく勃起しているとわかりとっさに声が上がった。

 サタリはきゅっと眉根を寄せて唇を噛んでいる。

 「ほら、男の事なんか何もわからないんでしょう?お嬢さん、俺がどれだけ我慢してると思ってるんです?こんなに煽られたら俺も限界ですよ。でも、こんな状態でお嬢さんが欲しい訳じゃない。俺は‥いえ、俺達の初めてはすごく素敵な思い出にしたいんです」

 「ごめんなさい‥」

 私はどこまでサタリを試してるんだろう。

 もう、こんな事やめよう。サタリをあなたを心底信じる。あなたにすべてを任せて大丈夫だって思えるから。



 「サタリ愛してる。あっ、それに私の事またお嬢さんなんて。もう、リネアって呼んでよ!」

 安心したら急に甘えたくなる。

 「ああ、すみません。興奮すると理性が働くなってついお嬢さんと言ってしまうんです。リネア愛してます。ですが、これ以上煽らないで下さい。こんなふうに見えても今でも理性を総動員して我慢してるんですから‥さあ、もう目を閉じて‥これ以上あなたを見ていたら堪えきれなくなるかも知れませんから」

 そう言いながらサタリは私の指先を甘く噛んで大きく吐息を吐きだした。

 「わかったわ」

 「ええ、その代わり結婚式が終わったらもう容赦はしませんよ。リネアの全てを下さい」

 サタリの瞳に欲の火が灯る。

 「も、もちろんよ。サタリって紳士的な割に時々、ドキッとする事言うんだから‥もう知らない」

 私は上掛を被ってしまう。

 でも、彼の気持ちがうれしくて唇は思わずにやつく。

 



 「サタリ!いつまでリネアのそばにいる気だ?!いい加減イチャイチャするのは止めろ!リネアはまだ休んでなきゃならんのだぞ!サタリ~!!!」

 扉の向こうからパパの怒りの怒号がした。

 「ヤバイ!おじょ、いえ、リネア。会長の我慢が切れそうです、またすぐに来ますから。じゃあ、後で」

 サタリは私の唇にふわりとキスを落とすと急いで部屋を出て行く。

 「もぉ、パパったら」

 私は少し頬を膨らしながらも幸せな時間を噛みしめた。



 サタリあなたを愛してる。これからもずっとずっと。

 サタリの愛を感じながら私の脳裏に心にはこれからの幸せな未来予想図が描かれて行く。

 それにしてもサタリって只物じゃないわ!

 こんな人が夫になるなんて幸せ過ぎる。




                              ~おわり~


                            





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