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好きだと告白したら振られたので推し活を始める事にした  作者: はるくうきなこ


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26もう、はっきりさせよう


 サタリ何言ってるの?

 私は驚いて起き上がる。

 「あっ、すみません。俺としたことがお嬢さんはまだ寝てなきゃいけないのに‥」

 サタリが私を横にしようとそっと肩に触れる。

 私はその手を掴んでさらに身を起こす。

 「いいからサタリ。もう、はっきりさせたいの。サタリ!あなた私の事どう思ってるの?いいからはっきり言って!」

 目の前には碧銀色の美しい瞳、そして見惚れるほどの端整な顔立ちの男が。

 ああ、言ちゃった。でも、もう後戻りはできない。

 でも、これで諦めがつくじゃない。

 私はぎゅっと拳を握った。


 「はっきりって?俺がお嬢さんが好きって知ってるじゃないですか?どうしてそんなこと聞くんです?お嬢さんこそ。また、俺をからかってるんです?」

 サタリは顔をしかめて何を言ってる?みたいな顔で言う。

 「からかうはずがないじゃない!いいから私の事どう思ってるのか言ってよ!」

 「俺はどうしようもないほど‥狂おしいほどお嬢さんが好きです。お嬢さんは俺の命なんです。俺の全てで俺の最愛の女で‥」

 「それって、私を‥私を愛してるって事?家族愛みたいなものじゃなくて女として私を?」


 サタリの眉間に皺が寄り切れ長の目がすっと細まる。

 「どういう事です?俺ははっきり言いましたよね?お嬢さんが俺を好きだって言ってくれて俺は天にも昇る気持ちになったんですよ。俺も好きだって言ったじゃないですか?俺を弄んだんです?それともからかって?」

 肩に触れた手に力が籠る。

 サタリの唇がわずかに震えている。

 「ギシリ‥」

 彼がすぐ隣に座った。すごく近い距離。目の前にサタリの顔がある。


 じゃぁ、じゃぁ、サタリは本気で私を好きなの?

 もう、これは確かよね?

 私の事、最愛の女って言ったよね?


 「もしかして‥さ、サタリは本気で私を好きって事?」

 「何言ってるんです?お嬢さん。ったく。当たり前じゃないですか?本気でなくてどうしてこんな事をすると思ってるんです?」

 「だってぇ、あなたは私の世話係だし、護衛なんだから。私を守る責任があるって思うわよ。だからあんなに口うるさく言うのかと思ってたし、好きって言うのだって子供の頃から良く言ってたし‥わかるわけないじゃない」



 サタリの鼻がぷっと膨らんだ。

 怒ってる。

 「はっ?何です?その勘違い。じゃあ俺の気持ちは全く通じてなかったって事です?俺があれほど男に触れられるのを嫌がってるのに気づかないなんておかしいですよ。まあ、百歩譲って、お嬢さんとは幼いころからの付き合いですしもちろん俺は子供を相手にする趣味はないので最初は可愛いお嬢さんとしか思っていなかったですよ。でも、お嬢さんは日に日に大きくなって気づいたらいつの間にかお嬢さんは俺の中でかけがえのない女になっていて‥」

 「あなたもなの?私だってあなたをいつの間にか意識していて気づいたらすごく好きになってて‥」




 サタリは私の顔を見つめてため息を吐いた。

 「はぁぁぁ~。お嬢さん。お嬢さんは自分の口ではっきり告白したじゃないですか!俺だって好きってはっきり言いましたよね。普通、あの段階でお互いの気持ちは同じだって思うでしょう?」

 「‥‥」

 「それなのに、お嬢さんはあいつの応援には行くし、シグルドは婚約したいって来るし、俺がどれだけ苛立っていたかわかりますよね?」

 「だって、サタリは良く好きって言ってたじゃない。勘違いするなっていう方が無理よ」

 「わかりました。もう絶対勘違いのないようにはっきり言います。俺はお嬢さんを愛してるんです。俺は命のある限りお嬢さんを愛することをやめません」

 「もし、パパが誰かと結婚しろって言ったら?」

 「会長に話をします。お嬢さんと結婚したいって、もし反対されたらお嬢さんを連れて逃げます。地の果てまでも離れません。愛してるんです。俺の命ある限りこの気持ちは変わることはありません。あなたを心から愛しています」


 サタリの言葉が私の心の奥にしみ込んでいく。

 これって‥これって‥もう絶対間違いないって奴。

 私は何を迷っていたんだろう。

 今さらながら自分の気持ちに気づいた。

 そうか、あの日初めてサタリにあった時から私はサタリに‥

 サタリはいつだって私の味方で私のそばにいてくれて。

 もう好きになるに決まってるじゃない。

 サタリ!責任取ってよね。


 目の前のサタリに抱きついた。

 彼の背中にぎゅって手を回してしがみ付かせた。

 「さたり‥ずっとずっと好きだった。最初に出会ったあの日からあなたを好きになっていたのかも知れない。でも、でもね。ずっと苦しかった。サタリの好きと私の好きは違うんだって思ってたから‥だから、ごめんなさい。あなたを信じれなくて」

 サタリは両手で私の頬をそっと挟む込む。

 じっと私を見つめて言った。

 「もう‥おじょうさん‥愛してますリネア。あなたを心から」

 サタリの声が私の耳にははっきり届いた。

 「私もあなたを愛してる」

 「り、ね、あ‥」

 サタリは私の名前を呼ぶとふわりと顔を傾けた。

 彼の匂いがして銀色の髪が頬にかかる。そのまま頬を上向かされると彼の吐息が唇の上で揺れた。

 「愛してる‥」

 そのままゆっくり唇を重ねられる。最初はほんの少し触れるだけ。

 そっと唇を離すと今度は唇を開いたまますっぽり唇を飲み込まれそのまま上唇に吸い付かれる。

 驚いてはっと顔を上げると彼の熱がこもった瞳とぶつかる。

 サタリの手が私の背中に回るともう箍が外れたかのような激しいキスの嵐が始まった。

 何度も互いを貪り唇を交わし合い吐息をまじ合わす。

 ずっと抑えていた気持ちがあふれ出て濁流のように押し寄せる。

 好きだと言う感情が迸り抑えが効かなくなって…



 「何をしている!」

 突然荒げた声がした。

 パパが目の前にいた。

 「サタリ!お前!今すぐリネアから離れろ!」

 パパは眉を吊り上げ怒っている。

 















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