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1章 魔法大学入学 闇の森へ3

やっとヴァリス城ちかくまで来ました!

アスモの交代要員として、手ぶらでベルフがやってきた。

バアルが一緒に行動するため、必要な物資を持ってきたということらしい。

魔法かスキルか魔道具があれば、手ぶらでも物資の運搬は可能だ、

恐らく彼はそういう能力にたけているのだろう。


森の奥へさらに進むこと十日、

ついに“空気が重くなる”のを全員が肌で感じ取った。濃密な魔力が霧のように漂い、呼吸すら圧迫してくる。

一行は巨獣のようなミルディアスが馬車を魔力で包んでいるため、外部の変化には気が付きにくい。


魔力を吸い取り結晶に変換する特殊装置が各馬車に設置されている、

これはミルディアス家の最重要魔道具であり、今回の旅の生命線でもあった。


ミルディアスは周囲を見回し、深くうなずいた。

「よし。ここをベースキャンプとする。」


そう言った瞬間、彼の魔力が奔流となりあふれ出る。


大地が震え、木々がざわめき――

あっという間に巨大な縦長の魔力のドームが形成されていた。


高さは二十メートル以上。

内部は五層構造の“魔力の城”のように組み上がり、各階に部屋が整えられていく。


「今回は特別性だ」ミルディアスが一声かけ、一層魔力を強める。

出来上がった巨大な卵型のドームは5階建てだった。


【魔力ドーム内部の構造】

5階:

・ミルディアスの私室

・客室(バアル、ベルフ)

・応接室


4階:

・クラウスの部屋

・上位メイド・従者の部屋

・幼い獣人(フー、アルビノなど)の部屋


3階:

・見張り台4つ(東西南北)

・護衛、狩人系の獣人たち部屋


2階:

・生産職の獣人たちの部屋

・工房

・大食堂


1階:

・馬車置き場

・資材庫


建造に要した時間はわずか5分ほど。

しかし完成したそれは、古代遺跡のような美しさと、要塞のような堅牢さを併せ持つ拠点となった。

「ここを拠点に調査を行う。先住民が居れば対話を、保護を求めるものは保護を、脅威があれば俺が取り除く。まずは情報を集めよう。」


残念なことに、突然できた新しい拠点に、あっけにとられたミルディアスの従者達の耳には、何も入っていなかった。


バアルとベルフはその壮観に口を開けたまま固まっていた。

「……お前、魔法使えないって言ってたよな?さっきの巨獣といい、もう魔法だろ!」

「ミルズさん、これ……売れるぞ。いや売っちゃいけない気もするけど。」


「ふたりとも、そんなに褒められると照れますね。」

ミルディアスは照れくさそうに笑った。


◆周囲の調査と“気配”

拠点を作ったことで、従者たちはようやく落ち着いて周囲の探索に取りかかることができた。

作物を育てる土地があるか、川の位置、魔物の生息域、古代ヴァリス王国の遺跡――それらを調べるため、数班に分かれて調査を開始する。


ミルディアス自身もバアルとともに外に出て、遠くにそびえる黒い霧の渦を見つめた。


あの奥だ。

かつて上空から見た、ヴァリス城。


そこは確かに存在している。


ただし――

その前で巨大な影が身を伏せていた。


地を揺らす重低音が遠くまで響く。


「……ありゃ、まずいな。」


バアルが低く呟く。


黒青い巨体。岩のように硬い皮膚。

そして三本の長い首。


ヒュドラ。


竜種の中でも最悪級の再生能力と、多属性魔法を使いこなす化け物だ。


あれがヴァリス城の前に“鎮座している”。


まるで――

城の番人。


ミルディアスはゆっくりと息を吐いた。


「……どうやら、本番はここからですね。」

ヒュドラ登場!やっと初モンスターです。

今までも強力な魔物は存在していたのですが、より凶悪なミルディアスに近寄ってこないんですよね。

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