1章 魔法大学入学 新人パーティ「メイズ」
閑話休題てきな感じで、メイドの近況を書きたいと思います。
ギルドの大広間は、午後の陽光で明るく照らされていた。
新人冒険者パーティ「メイズ」の三人娘は、討伐系依頼の掲示板を前に、真剣な顔で依頼を吟味している。
「この森の魔物退治とかどうかな?」
フローラが指差す。声は軽やかで、まるで散歩の計画を立てるようだ。
「うーん、ここは経験値が少なめね。こっちは?」
エステルは紙の依頼書をめくりながら冷静に分析する。声は落ち着いていて、手際もいい。
「うん、じゃあこっちにしよう!」
リーネは元気よく指を差す。「楽しそう!」
そこに、古参らしき冒険者のおっさんが近づいてきた。汗をかきながら胸を張り声をかけてくる。
「お嬢ちゃんたち! 俺たちのパーティに入れてやろうか?」
フローラは思わず後ずさり、目を丸くした。「わ、わぁ……お、おねーさん、こわいよぉ……」
エステルは無言で視線をそらし、完全無視。
リーネは腕を組んでにやりと笑うと、次の瞬間おっさんをぶっ飛ばすジェスチャー。
「……い、いや、そういうのはやめてくれ……」
おっさんは床に倒れこみ、慌てて頭をかきながら逃げていった。
その日の午前中、三人娘は低層ダンジョンに挑戦していた。
「さあ、今日も軽く探検よ!」
リーネが声を弾ませ、フローラも笑顔で応じる。
「無理は禁物。でも、楽しむのは忘れずにね」
エステルは後方から安全確認をしつつ、杖を手に構えている。
三人の明るい会話が響くと、周囲の魔物が興味を惹かれて集まってきた。
「ふふ、来たわね」
フローラが杖を振ると、魔力弾が飛び出し、迫るスライムを一撃で粉砕する。
エステルは魔力の鎖を加工し、飛びかかるゴブリンを絡め取って地面に叩きつける。
リーネは大剣で斬り払いつつ、笑顔で「こっちも任せて!」と叫ぶ。
低層ダンジョンなのに、三人の動きは軽快そのもの。まるで探検ではなく、散歩しているかのようだ。
やがて、低層のボスが姿を現す。
「うわぁ、また大きいの来たね!」
リーネが声を弾ませると、フローラもにっこり笑う。
「でも、私たちなら平気ね」
エステルは冷静に魔力を集中させ、ボスの弱点を探る。
三人は会話を続けながら、戦闘のテンポも軽快そのまま。
「ここは私が受け持つわ!」
フローラが派手な魔法で敵を引きつけ、ヘイトを稼ぐ
「私が援護!」
エステルが魔力鎖で動きを封じ、
「大剣でフィニッシュ!」
リーネが一撃でトドメを刺す。
ボス戦もあっという間に終了し、戦利品を拾いながら三人は笑う。
「やっぱり冒険は楽しいね!」
「ギルドでの勧誘とかおっさんの相手より、ずっとシンプルでいいわ」
「ねえ、フローラ、次はどの依頼に行こうか?」
他の新人たちが聞いたら、耳を疑うようなセリフだが、
こんなにのんきな会話ができるのは彼女らの装備が優秀だからなのだが。
ギルドに戻ると、ベテラン冒険者たちが三人に声をかけてきた。
「いやあ、可愛い上に強いな! 俺たちのパーティに……」
「だめー! やだー!」
フローラは手を振り、エステルは無視。
リーネは問答無用で冒険者を制止する。
「冒険よりもギルドの方が面倒かもねー」
三人は笑いながら、討伐報告書を受付に提出する。
館の暖炉前、風呂上りの三人娘はくつろぎながら、軽く戦利品の整理をしていた。
外では夕暮れの光が差し込み、館内は柔らかいオレンジ色に包まれている。
「今日も楽しかったね! 低層で魔物に出会っても、あんなにあっさり片付けちゃうなんて!」
リーネが元気よく声を弾ませる。
手には、戦利品の小さな魔石が握られていた。
「うんうん、討伐の依頼も軽く済ませられたし。
でも、ギルドに戻ったらあの親父たちがうるさくて、冒険中より面倒だったね」
フローラが小首をかしげて、目を細めながら笑う。
「まあ、私たちは無視でOK。そういう輩はまとめて蹴散らせばいいのよ」
エステルは涼しげに微笑み、手元の報告書を整理しながら言った。
そのとき、執事長のクラウスが静かに室内に歩み入った。
長い黒の外套を翻し、落ち着いた表情で三人娘を見下ろす。
「坊ちゃまが不在の間に、皆様はすっかり慣れたようですね」
クラウスは重厚な声で言ったが、今日はどこか穏やかで柔らかい口調だった。
「クラウス、おかえりなさい! 今日の低層ダンジョンも楽勝でしたよ!」
リーネがにこにこ笑いながら、低層での戦況を報告する。
「楽勝? ……相変わらずですね、あなたたち」
クラウスは肩をすくめる。だがその眼には、かすかに誇らしげな光があった。
フローラが興味津々で訊く。
「ねえ、クラウス。どうして私たち、メイズとして活動することになったの?」
クラウスは少し息をつき、暖炉の火を見つめながら説明を始めた。
「理由は単純です。この館には、定期的に獣人奴隷が届きますが、
それはアース領で虐待されている獣人奴隷を保護するために、奴隷商人から購入しているからです。
知っての通り月に一度は私が買い付けに行っていますから、これからもどんどん増えます。
彼らは……幼い者は見習い、料理ができる者はシェフ、男は兵士……それぞれ特性や希望に応じて役割を割り振っています、いずれそれぞれ望む道に進めるようになるでしょう。
私たちの仕事は作業ではなくなります。彼らを管理すること、そして彼らを守ることです。」
リーネが目を丸くする。「えっ、じゃあ私たちが強くなるのって、皆を守るため……?」
「その通りです」
クラウスは頷き、表情を少しだけ柔らかくした。
「家臣団は日々大きくなりつつあります。
そして、坊ちゃまや獣人を狙う輩も少なくありません。
だからこそ、あなた達には強くなってもらう必要があったのです」
フローラは少し考え込み、微笑んだ。
「なるほど、ミルディアス様のご意思でもあるのね」
エステルも頷きながら付け加える。
「うん、ギルドでおっさんの相手は面倒だけど、こうやって背景を知ると納得できるね。強くなる理由がはっきりしてるって、気持ちいい」
リーネが両手を握って跳ねる。
「ふふ、じゃあ私たち、もっと強くなるね! ダンジョンも余裕でこなせるように!」
フローラは笑いながら、そっとリーネの頭を撫でる。
「ええ、無理せず楽しみながらね。それがメイズのモットー」
エステルは机の上の魔石を手に取り、軽く回しながら言った。
「うん、楽しくて安全に。それが一番だよね」
館内には、暖炉の火と三人娘の笑い声だけが響いていた。
【パーティ「メイズ」】
メンバー:フローラ、エステル、リーネ
活動:新人冒険者パーティ
名前の由来:メイド(maid)+迷宮(maze)の掛詞
冒険者資格:サクッと取得済み
【装備:ドレスアーマー】
素材:純白の布に魔石を加工した特殊素材
金属ではなく、軽量かつ柔軟
魔力を通すと、装甲全体がうっすら青く光る
外観:優雅で可憐、戦闘中も美しさを保つ
機能:魔力を集中させやすく、防御・攻撃補助も可能
執事のクラウスもバトラーとかいうパーティで活動しているとかなんとか




