1章 魔法大学入学 ダンジョン探索訓練 閃光
チーム閃光です。
チーム4:閃光のダンジョン探索
続いてダンジョンへと足を踏み入れたのは、カイル、アリス・ブランシェ、ゼクロスのチーム・閃光だった。彼らの間には、相変わらず険悪な空気が漂っている。
カイルは風を纏う魔法剣を抜き放ち、その切っ先を魔物へと向けた。身体強化魔法を同時に発動させ、彼の動きはまさに閃光の如き速さとなる。1階層、2階層と、現れるゴブリンやオークといった魔物を、カイルは一人で次々と斬り倒していく。風を纏った剣は、触れるものを容易に切り裂き、その勢いは凄まじい。アリスはその後方で、時折、精密な魔法で援護するものの、その表情は不満げだ。「もう少し考えて戦ったらどうなの?」と冷たい視線を送るが、カイルは聞く耳を持たない。ゼクロスは相変わらず独自の行動を取り、姿が見え隠れしている。
カイルは自身の圧倒的な力に完全に酔っていた。「こんな連中、俺一人で十分だ!」と豪語し、休むことなく魔法剣を振るい続ける。その結果、3階層に入ったあたりで、彼の動きに明らかな鈍りが見え始めた。長時間にわたる魔法の使用により、魔力が底をつきかけているのだ。オークとの戦闘で、カイルの剣に纏う風の勢いが弱まり、動きも精彩を欠く。ついに彼は膝をつき、魔法剣を支えに荒い息をついた。
「言わんこっちゃない」アリスは呆れた表情で言い放つと、杖を構え詠唱を始めた。「出てきなさい、ノーム!」地面から小さな岩の精霊、ノームが現れると、アリスはカイルを指さし、冷たく命じた。「彼を背負ってゴールまで運びなさい」ノームは戸惑った様子を見せるも、アリスの強い眼差しに逆らえず、よろよろとカイルの元へ歩み寄る。カイルは不満そうな顔をするが、もはや立ち上がる力も残っていない。
アリスに促されるまま、ノームに背負われたカイルを先頭に、アリスとゼクロス(いつの間にか合流していた)は、まるで病人でも運ぶかのようにゆっくりと目標地点を目指す。カイルは最後までぶつぶつと文句を言い、アリスはそれを無視し、ゼクロスは一人離れて周囲を警戒している。チームとしての連携は最後まで生まれることはなかった。
そして、他のチームが既に到着している中、彼らはようやく3階層の奥深く、課題の目標地点で待機していたラガン先生の姿を捉えた。ラガン先生は、何とも言えない表情で、ノームに背負われたカイルと、険悪な雰囲気の二人を迎えたのだった。
閃光なのに遅いとはこれ如何に、
ところであと何チームだっけ。




