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1章 魔法大学入学 魔法大学交流戦 1回戦

魔法大学後期がスタートしました。

前期は訓練で、後期から実践に入っていくイメージです。

戦闘もフルコンタクト解禁でより実践的になっていきます。

ほかにも、、、

魔法大学 後期:魔法大学交流戦、開幕

王都イグニスから遥か西方、辺境都市ガルニア。国立魔法大学の後期が始まり、学舎は新たな活気に満ちていた。座学に加え、より実践的な魔法訓練が増え、学生たちの間には互いの腕を磨き合う熱気が漂っている。ミルディアスもまた、その中に身を置いていた。彼が魔法を使えないことは一部の教師や友人には知られているが、そのずば抜けた戦術眼と身体能力は、既に学内で広く知れ渡っていた。


後期の初日、大講堂での特別講義。教壇に立ったのは、穏やかな雰囲気ながらもその瞳に知性を宿す、魔法理論のベテラン教師、エリオット教授だった。彼はまず、最近の魔法技術の進歩について語り始めた。


「さて、皆さんも耳にしているかもしれませんね。最近、学園内である大きな研究成果が発表されました。それは、この大学の賢者の一人、賢者グレイグが開発に成功した**『魔力炉』** についてです」


教授は、教室を見渡した。学生たちの間に、ざわめきが広がる。

「魔力炉とは何か、疑問に思う者もいるでしょう。簡単に言えば、魔物や魔石を燃料として、大規模な魔力を安定的に供給するシステムのことです。現在、魔道具は個々の魔石や術者の魔力で動くのが一般的ですが、魔力炉から供給された魔力で、より大型で複雑な魔道具を動かすことが可能になります」


教授は続けた。「現段階ではまだ研究段階ですが、将来的に大規模な魔力炉が完成すれば、魔法大学全体の魔道具を魔力炉の魔力で補うこともできるかもしれません。 さらには、もしかしたら、魔力炉の魔力をミルディアス君が持つような魔力放出装置、つまり杖のような魔道具と組み合わせれば、強力な兵器を動かすことさえできるかもしれませんね」


ミルディアスの名は、教室内で注目を集めた。教授は軽く咳払いし、場の空気を落ち着かせた。

「もちろん、まだそこまでの実用段階には至っていませんが、いずれにせよ、魔力炉は現在の魔法技術における非常に興味深い研究対象であることは間違いありません」


教授は一呼吸置くと、表情を引き締めた。

「それでは、次はあなたたち学生に直接関係する、より実践的な話題を提供しましょう。それは、今期開催される**『魔法大学交流戦』** についてです。これまでは同学年の生徒同士で模擬戦をやってきましたが、後期では、あなたたち一年生は、上級生と戦うことになります」


学生たちの間で、再び驚きの声が上がった。上級生との模擬戦は、これまでの経験とは全く異なるものになる。

「今まで以上に工夫して戦う必要があります。もちろん、上級生たちも本気でかかってくるでしょう。しかし、これはあなたたちにとって、自身の魔法を見つめ直し、新たな戦術を学ぶ絶好の機会です。怯むことなく、果敢に挑みなさい。上級生との闘いは、必ずや良い経験となるでしょう。頑張ってください」


教壇のエリオット教授の言葉に、学生たちは興奮と緊張が入り混じった表情で、互いの顔を見合わせる。ミルディアスは、静かにその言葉を聞いていた。彼の瞳には、これからの戦いへの静かな決意が宿っていた。


魔法大学交流戦:開幕

数日後、国立魔法大学の広大な訓練場は、熱気に包まれていた。いよいよ「魔法大学交流戦:賢者の目指す道」の幕開けだ。訓練場には複数の模擬戦闘フィールドが設営されており、それぞれに森、岩場、水辺といった異なる地形や、魔力的な特性が与えられている。


大会のルールはシンプルだ。個人トーナメント形式で、相手の戦闘不能、あるいは降参をもって勝利とする。ただし、致命傷を与える魔法や、回復不可能な状態異常魔法は禁止。審判が危険と判断した場合は、即座に試合を中断する。


開会式が終わり、いよいよ試合が始まった。

第一フィールドでは、二年生の風魔法使いが、素早い動きで相手を翻弄し、風の刃で的確に攻撃を当てていく。

第二フィールドでは、三年生の土魔法使いが、強固な岩壁を瞬時に作り出し、相手の攻撃を防ぎながら、地面から突き出す岩の槍で反撃していた。

観客席からは、上級生たちの洗練された魔法技術に、感嘆の声が上がっていた。一年生たちは、先輩たちの実力を目の当たりにし、そのレベルの高さに圧倒されている。


そして、ミルディアスの初戦が告げられた。彼の対戦相手は、三年生の実力者、炎魔法を得意とするレイモンド。彼はこれまで数々の模擬戦で優秀な成績を収めてきた、学内でも名の知れた魔術師だ。ミルディアスの試合は、森を模したフィールドで行われる。入り組んだ木々が視界を遮り、身を隠すには最適だが、魔法の射線も通りにくい、まさに戦術が問われる場所だ。


レイモンドはフィールドの中央で、自信満々に構えた。掌には既に、赤々と燃える炎が灯っている。

「一年坊主、運が悪かったな。俺の炎は容赦しないぜ」レイモンドは挑発的に告げた。

ミルディアスは無言で、しかし確かな足取りでフィールドへと進む。彼の表情は、いつものように冷静沈着だ。


試合開始の合図と共に、レイモンドは先制攻撃を仕掛けた。

「フレイム・ランス!」

瞬く間に五本の炎の槍が生成され、唸りを上げてミルディアスに向けて放たれる。炎の槍は木々を焦がし、地面を抉りながら、一点に集中してミルディアスを串刺しにしようと迫った。


しかし、ミルディアスは落ち着いていた。彼は炎の軌道を完璧に見切り、最低限の動きで木々の間を縫うように駆け抜ける。炎の槍が彼のいた場所を焼き尽くすたび、観客からはどよめきが起こる。

「避けられただと!? 逃がすかよ!」レイモンドは驚き、即座に詠唱を重ね、放たれた炎の槍の軌道を無理やり曲げた。炎の槍は、まるで意志を持ったかのように方向を変え、ミルディアスを追尾する。


「追尾魔法だと!?」

「レイモンド先輩、さすがだ!」

観客席から驚きと感嘆の声が上がる。追尾する炎の槍は、ミルディアスの背後から迫り、逃げ場をなくそうとする。


だが、ミルディアスは振り返りもせず、迫る炎の槍を右腕で叩き落とした。

「ガキン!」

炎の槍は、まるで固い物体にぶつかったかのような音を立てて砕け散り、白い煙が巻き上がった。その煙の中から、何事もなかったかのようにミルディアスが現れる。彼の腕には、焦げ跡一つない。


「なっ!?」レイモンドは目を剥いた。自分の放った追尾する炎の槍を、素手で叩き落とすなど、常識では考えられない。

レイモンドは動揺しながらも、すぐに次の魔法を放つべく詠唱を開始する。今度は、より広範囲を焼き尽くす魔法だ。

「紅蓮のクリムゾン・ウォール!」

レイモンドの周囲から、高さ数メートルにも及ぶ巨大な火炎の壁が、ミルディアスを包囲するように展開し始めた。森の地面を焼き払うようなその魔法は、ミルディアスの退路を断ち、彼を追い詰めようとする。熱波が観客席にまで届き、学生たちは思わず顔を覆った。


だが、ミルディアスは止まらなかった。火炎の壁が完全に展開しきる寸前、彼は迷わず最も火力の弱い一点を狙い、体を横に倒して滑り込むように突破した。服の端が焦げ付くほどのギリギリの攻防だ。そして、火炎の壁が完全に展開しきる前に、レイモンドの目の前に躍り出た。


「なっ!?」レイモンドは咄嗟に防御魔法を展開しようとする。しかし、ミルディアスの動きはそれよりも速かった。彼はすでに懐に潜り込んでおり、レイモンドの右腕を掴んで捻り上げ、そのまま体勢を崩させて地面に押さえつけた。レイモンドの顔が苦痛に歪む。

「……そこまで!」審判の声が響き渡る。


会場は静まり返り、やがて大きな歓声とどよめきが上がった。

「魔法を使わずに、レイモンド先輩を……!」

「一体、どうやってあの炎の壁を突破したんだ!?」

レイモンドは呆然とした顔で地面に座り込んでいた。彼の炎魔法は強力だったはずだ。だが、ミルディアスはまるで彼の魔法の全てを見通しているかのように、完璧なタイミングで回避し、そして一瞬の隙も与えずに接近してきた。


ミルディアスは、レイモンドに手を差し伸べた。「ありがとうございました、先輩。とてもいい勉強になりました」

レイモンドはミルディアスの手を取って立ち上がり、悔しげに顔を歪ませながらも、どこか納得したように呟いた。「参った、俺の炎魔法が、まるで通用しなかったぜ!お前、本当に強いな!」


観客席の教師たちも、「信じられん。彼は魔法を一切使わなかったぞ」その驚異的な戦いぶりに息をのんでいた。

次はバトル以外のところも書いていきたいなーと思います。


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