31話
ボーガは内心焦っていた。
考え抜いたこの奇襲戦。やってみたら全て外れた。
アックアの考えだった。とても頭がいいと思っていた。
これであれば負けなしだとさえ思っていた。
現実は違う。自分の身体強化もたまに掠りながらも直撃は避けられている。
ほとんどの攻撃が捌かれることなど今まで一切なかった。
よって、ボーガは加速、強化を自分に施す。ここまでついて来れたこの男にせめてもの償いだ。当たれば1年くらいは動けないだろう。
そう思うと、相手のスピードも上がり、受け流しも上手くなっている。
攻撃をするごとに飛沫が上がる。
距離をとり、状態を確認する。
ジャックという男の体は少し風と水を帯びている。
通りで動きが早く、受け流しが上手いと感じるわけだ。
風の推進力と水の調和で威力を相殺し続けたのだ。あり得ない。だがあり得ている。
最後に全身全霊で強化をし、飛びかかる。その時いつの間にか地面に突っ伏していた。
ジャック「なかなかだったよ。最後まで出来なかったのは残念だったけど」
ボーガは理解できなかった。魔力はまだある。一発殴るくらいのことはできるはずなのに体が全然動かない。
そのあと、4番チームは全員保健室で眠っていた。なぜ負けたのか全員わからなかった。
悔しさが上回り、全員で泣いた。敵が圧倒的すぎた。負けた理由を知ったのは全試合工程が終了した後だった。ただ2度と負けないと誓ったボーガたちであった。
そして罰ゲームが始まる。
―
ジャック「シドーよく頑張った」
シドー「私の魔法にこんな使い道があったなんてな…」
リオン「シドーのおかげで僕たちでも勝てた」
バリト「ああ、すごいな」
アリーユ「やればできるじゃん」
シドー「ありがとさん…」疲れてしまったのだろうか、シドーが倒れる。
ジャックはすかさず抱き寄せ白魔法を発動させる。起きはしなかったものの、いい笑顔であった。
アリーユ「それじゃ次も負けずに頑張るぞ」
ジャック「そうだね、自分達の有利を活かそう」
リオン「でもまさか、こんな使い方ができるなんてね」
バリト「ジャックの頭の良さは異常だよ」
ジャック「次も油断しないようにね」




