勇剣漫才 五作目 着衣と定義
プライドの高い伝説の剣と世界を救ってやることない勇者
笑いの世界を救うために立ち上がる!!
階段を剣を抱えて転がり落ちてくる。
勇「どうも~勇者右利きでーす。」
剣「伝説のレフトハンドソードでーす。」
二人「一人と一振りで相性わるいーずでーす。」
剣「早速なんだけど~………」
勇「……ん?」
剣「………」
勇「…え?なに?」
剣「俺…裸じゃね?」
勇「うん!剣だからね!!」
剣「でも鞘とかあるじゃん」
勇「うん、でも剣が気にするとこじゃなくね?」
剣「な~…鞘ってジャンパーなん?それともTシャツ?」
勇「ッッッ鞘じゃ!!!まごうことなき鞘じゃ!!!」
剣「でも」
勇「でも?」
剣「あえて例えるならなんだと思う?」
勇「そんなん鞘の装飾とか材質によるだろ?」
剣「あれ?俺どんな鞘使ってたっけ?」
勇「お前はずっとムキ身じゃ!鞘などない!!」
剣「えっ?俺ずっと全裸!?」
勇「そう、いままで全ての勇者の肖像画に鞘などない、ムキ身じゃ」
剣「気にしてなかったけど、いままでみんなどうやって運んでたの?」
勇「ほら、鎧の腰のとこに爪があるだろ」
剣「あるね」
勇「ここに鍔の辺をカチッとしてる。」
剣「そんなん首輪じゃん!!」
勇「いや、いままでずっとだよ?いっまさら…」
剣「裸に首輪って……それはもうプレイ…行き過ぎた遊戯だ変態勇者ども」
勇「いや、お前剣だから、普通の剣はそんなこと言わないし」
剣「言わないからって、なにしてもいいわけじゃないだろぉがぁぁ」
勇「うっざ、しかも今まで気にもしてなかった奴が」
剣「じゃあお前、酒場でイカツイオッサン戦士とか仲間を集めて裸に首輪するん?裸に首輪のオッサンと仲間たちに、ガッツリ伝説の装備の勇者…」
一瞬パァッと光を放つ
剣「さあ、魔王を倒す旅に出よう!!」
勇「でれぇぇぇぇぇぇぇん!!!そんな不思議なプレイない!なんでオッサン集めて裸に首輪で魔王を倒す旅に出る?街を出るより先に酒場で捕まるわ!!!!とんだ不思議遊戯だな!!」
剣「う~ん、確かに新感覚過ぎる伝説のRPGになりそうだよね~」
勇「RPGってなんなん?そして、なんなら刀身と柄とか鍔って別だろ?」
剣「剣は普通そうですけど~、いまさら常識ぶらないでくださ~い」
勇「いちいち腹たつ…」
グッと怒りを抑える勇者
勇「じゃあ柄と鍔は、服ならなんになる。」
剣「…この形は~」
勇「…この形は?」
二人「どう見てもT字だな…」
カッ!!伝説の剣はまばゆい光を放った!!!
剣「いッッッまさら!オッサン達の群れにTバック履かせたって!難易度の上がった変態プレーじゃぁぁあああい!!!」
勇「そッッッんな!不思議遊戯しとらんわぁぁぁぁぁぁい!!!」
息を整える勇者
勇「そもそも、お前が鞘イヤッがってたじゃん」
剣「え~、だって伝説の鞘はないじゃ~ん」
勇「伝説の剣のプライド!!」
勇「じゃあ服着たいなら人化でもしたらどうなん?」
剣「人間は俺が助けるものだからね~ちょっとね~」
勇「伝説の剣のプライド!!」
剣「まあ、勇者になら我慢してギリラインかな~」
勇「伝説の剣のプライド!!もうええわ!!!」
一人ではけていく勇者
剣「でも聖女…う~ん女はな~、ほら、俺さす方じゃん?受けはちょっとね~、それが悪いって言うんじゃなくてさ~、感覚的になんか違和感っていうかさ~、やっぱ心のどこかで鞘が欲しいのかな~、伝説の鞘とか…」
伝説の剣の物語…それは、エターナル・ストーリー…
剣「やっぱさ~」
自分の想定以上に剣が暴れて所定の内容にならない…
伝説の剣…恐ろしい子!!!!