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事務所の玄関を開けると、すでに靴が三足並んであった!
顔から血の気が引いてきた。まずい!
まだ時間には早すぎるけど、もう来ていたのだ!
あの三姉妹に彼女一人で応対できるはずがない!
血気盛んな三姉妹の事だ、彼女を巻き込んで血みどろの殴り合いをしているかもしれない!
俺は急いで靴を脱ごうとした。
こんな時に限って靴紐をきつく縛りすぎたせいかなかなか抜けない。
勢い余って玄関に倒れこんでしまった。
その音に気付いて応接室のドアが開いた。
「先生、さっきすごい音しましたけど大丈夫ですか?」
え、彼女、応接室にいたの?
彼女が何かやらかしてないか不安でたまらなかった。
よりによってあの姉妹達に!
そしての不安は的中した。
彼女はこの間のパフォーマンスの時に来ていたカンフー着を着て、あの得体の知れない急須のような物を持っていた…。




