表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すみません、妻です  作者: まんまるムーン
74/120

74




「それで…どうでしょうか? 私、ここで雇ってもらえますか?」


「それなんだけど…」


「ちょっと待ってください! 私にも心の準備が!」


彼女は何回か深呼吸をした。


ものすごく長い深呼吸を何度もした。


聞くとロングブレスと言うそうだ。


ダイエットにも効果的らしい。


そんな事はどうでもいい。



「どうぞ。」


「正直に言っていい?」


そう言うと、彼女はこれから俺が言う事は、彼女にとって悪い事なのだと思ったようで、みるみるうちに彼女の眉も口角も下がってきた。


しかし伝えよう、今の気持ちを。


「初めは…あのカフェでお試し雇用の話が出たときは、少し働いてもらってほとぼり冷めたら辞めてもらおうと思っていたんだ。君がどうこうって訳じゃない。相手が誰だったとしても、他人を雇うつもりは本当に無かったんだよ。」


彼女は歯をくいしばって聞いていた。


「だけど…。」


「だけど?」


「何と言うか…。」


「何と言うか?」


「その…。」


「もうひとこえ!」


「何、その屋台の値引きみたいの。」


思わず吹き出してしまったが、彼女の顔は真剣だった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ