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すみません、妻です  作者: まんまるムーン
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 彼女が帰った後、作業に集中しようとしたが、きっとまたパフォーマンスをしているのだろうと思うと気になって仕方がない。


結局、俺は例の三角公園まで行くことにした。




…やはり彼女はそこにいた。


髪を頭の高い位置で二つお団子を作って茶色のカンフー着を着ていた。


前回見たときはチャイナ服だったけど…中国好きなのかな? 


今日も彼女はものすごくぎこちなく、哀れなくらいヘタクソな舞を踊っていた。


通りすがりに見て人々は笑っている。


もしかすると、ダンスを本気でしたいわけじゃなくて、これはコメディーなのか? 


しかしコメディーにしてはすごく分かりづらい。


やっぱり本気のダンスなのかな? 




そうこう思っていたら、彼女は太極拳風のダンスをやめ、後ろに置いてあった風呂敷から急須のようなやかんのような、しかしそれにしては注ぎ口が1メートルくらいある、見たことも無いような不思議な物を取り出した。


そして湯飲みを台の上に置いた。それからその急須的な物を持ったまま、また太極拳風のヘンテコな踊りを始めた。


いったいこのパフォーマンスは何なんだ?


彼女は急須を持って、クルクル回っている。


しばらく舞った後、体を反って、背中越しに後ろの台に置いてあった湯飲みに水を注ぎこんだ。


オーディエンスからは「おぉ~!」と歓声が上がった。


しかし残念な事に、きちんと湯飲みに水が注がれたのは最初だけで、すぐに湯飲みのまわりにこぼしてしまった。


おまけに彼女は無様にも後ろへ倒れた。


その拍子に湯飲みを置いてあった台に頭がぶつかって、台も倒してしまった。


俺はすぐに助けに入ろうとした。


が、しかし、彼女を抱き起す男が俺の前に立ちふさがった。



 この前、居酒屋で彼女と二人でいたあの男だ。





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