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「だいたいあんた、何様だって言うのよ! そりゃ代々いいお家柄なのかもしれないけど人間としてはどうなのさっ! うちのミー君バカにすんじゃないわよ! 小さい頃に父親に死なれて、私は朝から晩まで仕事でろくに手をかけてあげられなかったのに、それなのにこの子は…この子は…一生懸命勉強して…大学に受かって…国家資格も取って…ウッ…ウッ…。」
「…お母さま…。」
肩を震わせて泣くおふくろを心配して、岩田麗子は背中をそっとさすった。
その岩田麗子を見て、藤崎親子はギョッとした。
「あなた! 何なのそのお腹! その大きさ…もう5か月にはなってるわよね!」
「え?」
彼女の腹を見た。
何?
どうした?
腹が異様に出ている。
細身の彼女の体の腹だけ、何か生命体がいるかの如く突き出ていた!




