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すみません、妻です  作者: まんまるムーン
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せっかく食事にいくのなら、と二人は化粧を直し、おめかしに余念がなかった。


その間中、ご近所さんからさっきの悲鳴の件で苦情の電話が入って、俺はその応対に追われた。


「事件でも起きたのか心配だった」と言われたり、あからさまに「うるさい」と言われたり。


そのたびに俺は「すみません」と頭を下げまくった。


二人は嬉しそうに口紅を塗ったり髪をセットしなおしたりしている。


ノンキなもんだ! 


あーーーーもうっ!




 レストランは事務所からすぐ近くだ。


人気のイタリアンレストラン。


何度か行ったが、何を注文しても美味しかったし、値段も手頃だったので迷わずここに決めた。


歩いて5分もかからないのもよかった。


後ろからついてくる二人は嬉しそうにウフッウフッと笑っている。


レストランに入るとすでにランチ目当ての客がたくさんいたが、ラッキーなことにすぐに席を用意してもらえた。


店員は窓際の席に案内した。


前面ガラス張りなので見晴らしもいい。


道路の向かい側に広がる公園の緑も目に優しい。


店員はそれぞれの前にゴブレットを置いて、そこに瓶に入った水を注いだ。


そして三人にメニューを渡した。





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